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2006年6月13日 (火)

028: ナイロビの蜂

この国の人間の命は安い

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原題: THE CONSTANT GARDENER

上映時間 128 分
製作国 イギリス
初公開年月 2006/05/13

監督: フェルナンド・メイレレス 
製作: サイモン・チャニング・ウィリアムズ 

原作: ジョン・ル・カレ 『ナイロビの蜂』(集英社文庫刊)
脚本: ジェフリー・ケイン 
音楽: アルベルト・イグレシアス 
 
出演: レイフ・ファインズ レイチェル・ワイズ ユベール・クンデ ダニー・ヒューストン ビル・ナイ ピート・ポスルスウェイト ジェラルド・マクソーリー ジュリエット・オーブリー リチャード・マッケーブ アーチー・パンジャビ

ケニアのナイロビ。ガーデニングが趣味の英国外務省一等書記官ジャスティン。事なかれ主義の彼は、アフリカで精力的に救援活動を続ける妻テッサの行 動には深く立ち入らず、見ない振りを通していた。ところがそんなある日、テッサは救援活動中に何者かに殺されてしまう。警察はよくある殺人事件の一つとし て処理しようとしていた。しかし、事件に不審なものを感じたジャスティンは、意を決して自ら調査に乗り出す。やがて、事件には国際的陰謀が絡んでいたこと を知るジャスティンだが、そんな彼にも身の危険が迫っていた…。

■■■さくら 90点 劇場鑑賞

あたしは何年も前に、ケニア経由で陸路でタンザニアへ行ったことがある。青年海外協力隊として現地に派遣されていた先輩を訪ねていったのだ。市内地 はそうでもなかったが、市外地は土壁の家で不衛生で、病気も絶えないといっていた。あたしが会った子供達は皆、鉛筆を欲しがった。用意していなかったあた しは、とても悔やんだ。日本だと、日本語で高等教育が受けられるけど、タンザニアではスワヒリ語(国語)ではなく、英語(公用語)で行われていた。それは スワヒリ語では高等教育を網羅する言葉が不足するからだと言っていた。

この映画の舞台になった旧イギリス植民地のケニア共和国も、国語はスワヒリ語で公用語は英語。ナイロビは首都で、人口は約200万人。

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社会的ドラマが中心で、ジャスティンとテッサの愛は添え物だろうと思っていたら、とんでもなかった。愛するが故に話せない、愛するが故に何もかも話 したい・・・そんなテッサの愛が、痛いほど伝わってくる。そして、ジャスティンの愛もまた・・・・・。2人の愛の形に惹きこまれていく。

テッサ役のレイチェル・ワイズがアカデミー助演女優賞をとっていることからも分るように、彼女は意志の強い情熱的な女性を見事に演じきっている。が しかし、見所は、レイフ・ファインズ演じるジャスティンが変化していく様だろう。そして、何も知らなかった頃のジャスティンは、“あたし達”だと思った。

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この映画はいきなりテッサの死から始まり、彼女が生きていた頃を織り交ぜながら、ストーリーを進めていく。そして、画面割りも音声もドキュメントタッチで、とってもリアルに感じられる。

どこまでがフィクションだったのだろうか?

公式HPによると、テッサにはモデルがいるらしい。原作は内容が内容なので、ケニアでは発禁本扱いで、イギリス外交団も批判的だったらしい。がこの 映画、ケニアでの撮影を成功させている。つまり、今現在のケニアは変わったからこそ、ケニアは撮影を許可したんだろう、と思いたい。まぁ、撮影を許可しな かったら、ナニを言われるか分かったもんじゃないからね。

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邦題『ナイロビの蜂』は、問題の製薬会社「三匹の蜂」からとったのだろが、もっと別の意味も考えてしまう。

(伏線はあるけど)ラストシーンで明らかになる驚愕の事実、その恐ろしさを何と言ったらいいのだろうか・・・・。映画を観終えると、“蜂”の運ぶ“蜜”の誘惑に負けてしまう人間の悲しさや愚かさ、そして人間を刺す“蜂”の“針”の姿に寒気を覚える。

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128分の間に複雑な背景を持った人物が大勢登場するので、原作を読んでいなかったら、観る前に公式HPでイントロダクションとストーリーをチェキする事がお奨めだ。Theconstantgardener_07_4 そのほうが、「あれ??この人ってどの人だっけ??」なんて思わずにストーリーを追っていける・よ!!あと、観る前でも観終わった後でもいいけど、プロダクションノートも興味深かった。色々なことを考えさせられる映画。

公開前は正直あまり興味がなかったが、劇場鑑賞ペアチケットがモバイルGyaOで当たったので観に行くつもりになった。そして公開後、観た人の評判 がとってもいいので、とっても楽しみにしていた。で、やっとチケットが手元に届いたので、ワクワクしながら観に行ったけど、期待を裏切らなかったよ ~~~。USENさま、ありがとうございます。

でもこの映画、自分で1800円払っても公開日に観る価値ありだった!!! 『ナイロビの蜂』は完全に『ダヴィンチ・コード』に押されちゃっているけど、この映画、もっと沢山の人に観て欲しいな。もうすぐ上映が終わっちゃうのが残念だ。

Amazon ナイロビの蜂(上) (下)

ナイロビの蜂 DVD ナイロビの蜂

販売元:日活
発売日:2006/11/10
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» ナイロビの蜂 [銀の森のゴブリン]
2005年 イギリス 2006年5月 128分 原題:The Constant [続きを読む]

受信: 2006年12月22日 (金) 14時23分

» 『ナイロビの蜂』 [かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY ]
この世界の問題として、一個の人間の心の物語として、両面的に素晴らしい。 ケニアロケを敢行して、リアルなアフリカをとらえた映画関係者たちに拍手。 ナイロビに勤務する英国外務省一等書記官ジャスティンの妻テッサが殺された・・・。殺人事件の原因究明に始まり、まずはそのサスペンスに惹きつけられる。一体彼女に何が起こったのかという謎解きの中、アフリカを食い物にする先進国企業の問題が浮き彫りになり、それを通してジャスティンとテッサの物語が再構築されるという、重層的で見ごたえのあるドラマ。謎に引っ張られなが... [続きを読む]

受信: 2007年4月 7日 (土) 19時18分

» ナイロビの蜂 [映画、言いたい放題!]
話題になった作品。 DVDで鑑賞。 ガーデニングが趣味の英国外務省一等書記官のジャスティンは、 赴任先のアフリカのナイロビで妻のテッサと暮していた。 現地の救援活動に熱心なテッサは ある日、黒人医師アーノルドと共にロキへ向かうのだが トゥルカナ湖の南端で無残な... [続きを読む]

受信: 2007年4月24日 (火) 01時21分

» DVD「ナイロビの蜂」 [noBlog SINSEIの自己中で行こう!]
どうやら今映画界は「アフリカブーム」であるらしい。それはGWに観た映画「BLOOD DIAMOND」(ブラッド ダイヤモンド) のパンフレットにも書いてあったのだけれど、ネットでもそのことは多くの人が...... [続きを読む]

受信: 2007年7月 1日 (日) 23時00分

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