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2006年11月29日 (水)

109: トゥモロー・ワールド

どうでもいい話しだ
50年後には全て消える 手遅れだ 

希望なんてとうの昔に忘れてしまった
“希望”って何だ?

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人類は既に18年間 子供が誕生していなかった

英題: CHILDREN OF MEN

監督:アルフォンソ・キュアロン
原作: P.D.ジェイムズ
脚本:アルフォンソ・キュアロン
音楽:ジョン・タヴナー

キャスト: クライヴ・オーウェン  ジュリアン・ムーア  マイケル・ケイン  キウェテル・イジョフォー  チャーリー・ハナム クレア=ホープ・アシティ

製作年: 2006年
製作国: アメリカ/イギリス
日本公開: 2006年11月18日

西暦2027年、人類は18年間の長期に渡って子どもが生まれない未曾有の異常事態が続いており、このままでは人類絶滅の危機は免れなかった。そんな中、国家の仕事に就くテオは・・・
公式HP http://www.tomorrow-world.com/

■■■さくら 60点 劇場鑑賞(レディースデイ)

劇場で予告を観て面白そうだなと思ったけど、観た人のレビューを読むと評判は芳しくなかったので、どうしようかなぁと迷った。原作『人類の子供たち』とは違った感じに仕上がっているようで、原作ファンに酷評されているのも読んじゃった。

で、公式HPを見てみたら、予告からあたしが想像したのとは、ちょっと違うことが分かった。『ウルトラ・ヴァイオレット』まではいかなくても、未来 チックな建物やテクノロジーやファッションなのかと思ったら、イギリス各地でロケを敢行しているようで、CGは使われていないようだ。そして、知らなきゃ 気が付かない映像や音楽が、象徴的に使われてもいるようだ。ふぅ~~ん・・・と、それらをチョコチョコと調べているうちに、ハズレてもいいから観に行く気 になった。下記最後、観る前にチェックしたこと、一応羅列してみました。“ピンクの豚の風船”の意味だけでも知っていると、映画がより楽しめる!と思う。

07_6未来なのに映像がドキュメントタッチで、妙な迫力とリアル感があって、既に起こった事みたいに感じてくる。

ストーリーは、まぁなんてことない感じ・・・なんだけど、“赤ん坊”という“希望”に対峙した時の切なさが徐々に伝わってきて、あたしはそれなりに面白かった。たった一人の赤ん坊・・・それはこの映画の世界では“人類の子供”なのだ。

今人類が“地球温暖化”を問題視するのも、“宇宙開発”をしようとするのも、人類に未来があると思うからだ。“芸術”に価値があるのも、それを愛で る人間がいるからだ。“戦争”が起こるのも、“戦争”を止めようとするのも、幸せな未来を想うからだ。もし、人類があと50年もすれば絶えてしまいそう だったら? それを分かっている世界で過ごしているとしたら? 

日本は少子化で、子供を産まない人、産んでも一人の人が増えてきている。かくいうあたしにも子供はいない。厚労省の発表によると、昨年2005年に は出生数が死亡数を一万人下回り「自然減」になっていて、統計を取り始めた1899年以来初めて、日本は人口減少社会に突入している。といっても世界規模 で見れば、人口は増加している。中国のように人口爆発を懸念して“一人っ子政策”をとっている国もあるしね。実際の世界では人類が生殖機能が無くなって滅 びてしまうなんて、有り得ないように感じられる。

でも、本当に人類に生殖機能が無くなって滅びてしまうなんて有り得な~い!・・・って言い切れる? 人類の未来は限りなく続いていくって言い切れる?

映画の舞台は2027年、それはたった21年後、あたしがまだ生きている未来だ。最後に子供が産まれたのが2008年って、再来年じゃん! すぐ じゃん! ひゃ~~!! 「君の両親はNYのあの事件で・・」ってなに? またテロの標的にでもされたの? 二人が会っていなかった20年の間に世界は崩 壊していて、イギリスだけが“国家”として持ち堪えている・・・って、これで? あの建物がそんな風になっちゃうの!!。。。反体制的だなぁ。。。ってな 感じ。

あたしの住んでいる実際の世界は、まだ“人類の未来”が途絶えていない。危惧されてる問題はたくさんあるけどね。地球が誕生してから絶滅してしまっ た種は、数え切れないくらいある。 “繋ぐ未来”があるうちに、もっと真剣に“環境問題”や“平和”を考えなきゃいけないなって思った。じゃないと色んな 問題が重なりすぎて、この映画のように“原因はわからないけど、人類だけが生殖機能を失ってしまう”なんてことになりかねない。

■■■知ってるとチョット楽しめる! かも 

■ピンク・フロイド「アニマルズ」 ■パターシー発電所 

ピンク・フロイド (Pink Floyd) は、イギリス出身のプログレッシブ・ロック・バンド。 

「アニマルズ」は1977年に発表されたピンク・フロイドのアルバム。ジャケット写真や社会風刺の内容も相まって、話題を呼んだ作品。全英2位、全米3位を獲得した。

本作は人間を動物に喩え、痛烈な社会批判のメッセージが込めらたコンセプト・アルバムである。資本家や政治家が豚に、エリート・ビジネスマン(いわゆる「勝ち組」)が犬に、平凡な労働者が羊に、それぞれ喩えられている。この着想はジョージ・オーウェルの寓意小説『動物農場』に影響を受けたとされるが、豚はともかく、犬や羊の位置付けは、この小説とは異なっている(『動物農場』では犬も羊も「権力の走狗」的存在)。

アルバム・ジャケットは、ロンドンのテムズ川沿いにあるバターシー発電所の上空を豚が飛んでいるという印象的なもの。CGによる合成写真ではなく、実際に巨大な豚の風船を飛ばして撮影された。

↑wiki

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↑ アルバムジャケット               ↑映画のワンシーン

■キング・クリムゾン「クリムゾンキングの宮殿」

ピンクの豚の風船が浮かぶパターシー発電所のシーンで、「クリムゾン・キングの宮殿」(In The Court Of The Crimson King)が流れる。この曲は、1969年に発表されたキング・クリムゾンのファースト・アルバム名でもある。wiki 「KING CRIMSON 和訳集」 

A 他にも、 ディープ・パープル「ハッシュ」、ジョン・レノン「ブリング・オン・ザ・ルーシー」などがつかわれている。この映画では、何気にジョン・レノンとマイケル・ケインは、風貌もだけど言動も似せてあった。(→マイケル・ケイン)

Music

「トゥモロー・ワールド」オリジナル・サウンドトラック

販売元:ユニバーサルインターナショナル
発売日:2006/11/15
Amazon.co.jpで詳細を確認する

       

■パブロ・ピカソ「ゲルニカ」

スペイン内戦のさなか、1937年4月26日、スペインのバスク国の 小都市ゲルニカが、フランコ将軍を支援するナチスによって空爆を受けた。 史上初めての都市無差別空爆と言われている 。 滞在中のパリでこの報を聞いたピカソは、かねて人民戦線政府より依頼されていた同年のパリ万国博覧会スペイン館の壁画として、急遽ゲルニカを主題にこの作 品に取り組み、7月4日には完成させる。

『ゲルニカ』は、その誕生からその遍路の間も反戦のシンボルであり続けてきた。

↑wiki 

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 ↑「ゲルニカ」                  ↑映画のワンシーン 

■ウェストミンスター

ウェストミンスター(Westminster)は、イギリスの首都ロ ンドンにある地区の名称。テムズ川の北側にある。エドワード懺悔王がウェストミンスター宮殿に居住して以来、イングランド・イギリスの政治的中心として栄 えた。ロンドンのテムズ川のほとりに建つウェストミンスター宮殿(時計塔の通称「ビッグ・ベン」が代名詞として使用される)が議事堂である。

↑wiki    ↑wiki

■トラファルガー広場

022_1 トラファルガー広場 (Trafalgar Square) はロンドンのウェストミンスターに存在する広場。1805年のトラファルガーの海戦を記念して造られた。当初はウィリアム4世広場という名前だったが、建 築家のGeorge Ledwell Taylorの提案によってトラファルガー広場となった。

この広場は、エドワード1世の時代には王家の厩であった。1820年代、ジョージ4世が建築家のジョン・ナッシュにこの地域の再開発を依頼。現在の形になったのは1845年である。

この広場は政治演説をする人が多いことでも有名。→

↑wiki 

■セント・ジェイムズ公園

この公園の一角にはチャールズ皇太子のセント・ジェイムズ宮殿があります。イギリス女王のバッキンガム宮殿の前庭にあたるような公園です。

■フリート・ストリート

03_26 フリート・ストリートはシティ・オブ・ロンドンにあるストリートで、裁判所や法廷がある。シティ・オブ・ロンドン(City of London)は、単にシティとも呼ばれ、ロンドンの起源となる地域であり、大ロンドンの東部に位置する。シティー内部にはセントポール大聖堂があり、イ ングランド銀行をはじめ大銀行、保険会社、株式取引所などが密集する金融の中心である。→映画のワンシーン

↑wiki  

■セント・ポール寺院

セント・ポール大聖堂(-だいせいどう、St Paul's Cathedral)は、ロンドンの金融街、シティにある国教会の大聖堂で、聖パウロに捧げられている。

↑wiki 

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↑セント・ポール大聖堂。オープニングに右上の画像シーンの直前に遠景で映る。

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■ケント州チャータムの造船所

1613~1984年まで王室の船舶修理を行っていた。

■アルダーショットにあるブルネヴァル兵舎

■イギリス軍アッパー・ヘイフォード

世界大戦と冷戦の時に使用された

■■■2007.01.19追記:映 画評論家 町山智浩のブログとポッドキャストで、この映画の「長回し(ロング・テイク)」の凄さを取り上げていた。この長回しの凄さは、日本でも話題のひ とつに取り上げられていたけど、あたしには今一ピンときていなかったんだけど、どう凄いのかという事を分かりやすく話していて、面白かった。“ドギーカ ム”という犬の(低い)視線で映像を撮る特殊カメラが使われている・とかね。

日本で批判的に捕らえられていた「人間だけに生殖機能が無くなってい る理由が明らかにされていないからSFとしてはイマイチだ」という事に対して、それはその事象の末端にいる主人公の視点で描かれているから、当たり前だと 言っている。他にも、これはロンドンが舞台だけど、それは世界を凝縮していて、世界の問題を言葉じゃなくて映像で感じて欲しいんだとも言っていた。

ネタバレもあるから、観て無い人は聞かないほうがいいかもしれないけど、面白い話しだったから、聴いてみる価値ありだと思う。

ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 
2007.01.18付『トゥモロー・ワールド』の驚異的長回し
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20070118

町山智浩のアメリカ映画特電
第15回『トゥモロー・ワールド』と長回し
http://www.eigahiho.com/podcast.html

トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション DVD トゥモロー・ワールド プレミアム・エディション

販売元:ポニーキャニオン
発売日:2007/03/21
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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コメント

こんばんは。
この映画を観てから結構経つのですが、
今日こちらに辿り着き、「知ってるとチョット楽しめる!」
が興味深くお役立ちでした。
ピンクフロイドのアルバムの写真のことなどを知らなかったのが残念ですー。

投稿: かえる | 2006年12月11日 (月) 21時26分

かえるさん、コメントありがとうございます。少しでもお役にたてて嬉しいです、本当に!

この映画に動物(時には子犬も)が頻繁に登場するのは、“生殖機能を無くしたのは人間だけ”って事プラス、ピンクフロイド「アニマルズ」にかけてあるなんて、あたしも調べていなかったら気付きませんでした。音楽には疎いので・・・。

投稿: さくらスイッチ | 2006年12月12日 (火) 00時50分

こんにちは、TBありがとうございました♪

人間に子どもが生まれない世界・・・
こんな未来は嫌ですね。
やっぱり子どもは未来への希望なんだなぁと感じさせられた作品です。
一筋の光のような希望を残したあのラスト、私は結構好きです。

投稿: ぴぃち | 2007年4月15日 (日) 17時59分

TBさせて頂きました。(^^)
ピンクフロイドのアルバムのことは後から聞いて、
ジャケットを見たいと思っていたので
こちらの記事で確認できてよかったです。
ありがとうございました。
賛否両論のこの映画ですが、
私はかなりよかったです。

投稿: laerl38 | 2007年7月 3日 (火) 10時53分

コメ、ありがとうございます。

(ココログ・フリーの不具合だと思うのですが)TBはされてませんでしたが、コメのリンクから laerl38さんのブログは拝見させて頂きました。

この映画は、テーマをディストピアSFとして表現してるのが、面白いなぁって感じました。長回しでの赤ちゃんシーンは、あたしも感動しました♪

投稿: さくらスイッチ | 2007年7月 3日 (火) 19時02分

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