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2007年1月19日 (金)

「ニモ」と「クマノミ」 ~パパはママ?~

名古屋港水族館にいる、あたしが好きなクマノミについて書いてみようと思う。映画『ファインディング・ニモ』(2003)に登場するキャラクターのモチーフになったことで有名なクマノミ。いかにも熱帯魚といった鮮やかなオレンジ色で、観賞魚としても人気が高いみたいだ。

だからというわけじゃないけど、水族館に行くと、やっぱり目が行くしカワイイなぁ~と、そのひと時を癒してくれるから、大好きな魚だ。あたしの行く名古屋港水族館では、水槽の説明書に、10cmくらいで白い横帯が二箇所の魚にクマノミ、その約半分くらいの大きさで白い横帯が三箇所の魚にクラウンアネモネフィッシュと書いてある。ニモにそっくりだ。でも、ニモはカクレクマノミだから、似てるけどこの魚は違うって思ってた。

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ファイディング・ニモ 公式HP  http://www.pixar.com/jp/feature/nemo/

ニモとカクレクマノミ、クラウンアネモネフィッシュ、クマノミの関係って、どうなってるんだろう??? 詳しくないせいで、水槽の中を観てたら頭の中がごっちゃになってしまった。なので、興味をもってちょっとだけネットで調べたら、面白いことが分かった。

まず、ディズニーが宣伝したようにニモ=カクレクマノミ(Amphiprion ocellaris)とされている。でも、ニモ=バリアーリーフ・アネモネフイッシュ(Amphiprion akindynos)じゃないかとも言われていて、それはバリアリーフ・アネモネフィッシュは名前の通り、オーストラリアのグレートバリアリーフに生息していて、『ファインディ ング・ニモ』の舞台がグレートバリアリーフということでそう言われている。ややこしいことにカクレクマノミ=バリアーリーフ・アネモネフイッシュという説もあるみたいだ。他にも、ニモ=クラウンアネモネフィッシュ(Amphiprion percula)だとか諸説ある。

まぁ、名古屋港水族館で観られるクラウンアネモネフィッシュも、ニモと言ってもあながち嘘ではないようなので、ちょっと嬉しくなった。ただ、 カクレクマノミはニモとして人気になって乱獲を引起こし、生態系に与える影響が心配されたみたいだ。現在はどうなんだろう?

 

あと、クマノミが性転換する魚というのは知っていたんだけど、それを雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)というのは知らなかった。クマノミは熱帯の珊瑚礁に生息していて、イソギンチャクと片利共生している。ひとつのイソギンチャクには複数のクマノミが生息しているんだけど、その一番大きいのが雌で、二番目に大きいのが雄で、あとは未成熟魚だ。雌雄の一夫一妻で繁殖をおこなう。で、一番大きい雌♀が死んじゃうと、二番目に大きい雄♂が雌♀になり、三番目に大きい未成熟魚が雄♂になって繁殖する。

ということは、子供は雄でも雌でもないということなんだよね。そして、ママが死んじゃったら、パパがママになるってことなんだよね。そう考えるとママが死んじゃった『ファインティング・ニモ』って・・・。(笑) 

*最後尾に追記したけど、そもそもクマノミは家族で群れを形成しないみたい。

 

イソギンチャクは魚を捕らえるため、触手に刺胞毒を持っているけど、クマノミはそれに刺されないから、大型魚に捕食されないように逃げ込むことが出来る。というのも、クマノミは体表から出す粘液がイソギンチャクと同質だからなんだって。クマノミとイソギンチャクには相性が存在するらしいけど、その粘液によるのかもしれな。この関係はイソギンチャクには利が無いので片利共生だ。あと、イソギンチャクの説明を読んでいてビックリしたのが、移動出来るってこと。時速数センチらしいけど、移動できるなんて知らなかった。coldsweats01

 

色々なサイトを簡単に流し読みしてると、こんがらがってくるのが名前。クマノミって当然だけど和名で、英名ではClownfish(クラウンフィッシュ)、Anemonefish(アネモネフィッシュ)というらしい。ここでいうクマノミはスズキ目スズメダイ科クマノミ亜科 (Amphiprioninae) に属する魚の総称のことなんだけど、名古屋港水族館で水槽に書いてあるクマノミはクマノミ(Amphiprion clarkii )一種を指している。

つまり、あたしが???だったニモとカクレクマノミ、クラウンアネモネフィッシュ、クマノミの関係を整理してみるとこうなる。和名だと――総称としてのクマノミに属する魚にカクレクマノミ、クラウンアネモネフィッシュ、クマノミがいて、ニモはカクレクマノミだということ。英名だと――Clownfish、Anemonefishに属する魚にAmphiprion ocellaris、「Amphiprion percula、Amphiprion clarkiiがいて、NEMOはAmphiprion ocellarisだということ。(注:映画サイトでは「NEMO」は「Clownfish」となってる。)

分かりにくくさせてるのが、和名のクマノミが総称名としても、一種名としても使われていること。 和名のクラウンアネモネフィッシュという一種名が、英名Clownfish(クラウンフィッシュ)、Anemonefish(アネモネフィッ シュ)という総称と類似していること。ニモはカクレクマノミだと宣伝されていたけど、実はバリアーリーフ・アネモネフイッシュ、クラウンアネモネフィッシュと諸説があること。・・・・・などのせいだ。

多少のモヤモヤは残るけど、調べてスッキリした。あ、ちなみに、クラウンアネモネフィッシュの赤ちゃんには、白い縞は一本しかなくて、成長するに従って3本になっていくんだって。他のクマノミも一緒かな?

ニモ
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カクレクマノミ(左上)  クラウンアネモネフィッシュ(右上)
バリアーリーフ・アネモネフイッシュ(左下)   クマノミ(右下)001_1003_1006_2002_2

2010.10.03追記 : TBSラジオ『サイエンス・サイトーク』の過去ポッドをまとめて聴いていたら、「2006年03月12日:メスがオスになり、オスがメスになる」で、とても詳しくクマノミの生態について話していた。

『ファインティング・ニモ』にもふれ、実際には映画のようなパパ・ママ・子供の関係は成立しない事を話していた。ママが居なくなると、パパがママになり子供のニモがママになる。で、元パパのママと元子供のニモ・ママから子供が生まれる。というかそもそも、卵が孵った後、両親が自分の子供と群れを成す事は無いので、ニモはパパとママの子供では無い。という事らしい。。。うむむ。
 

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