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2007年4月21日 (土)

141: 日本のいちばん長い日

見応えがありました、かなり。          

Ni_002

監督 : 岡本喜八
脚本 : 橋本忍
原作 : 大宅壮一
音楽 : 佐藤勝

出演 : 三船敏郎 , 加山雄三 , 島田正吾 , 山村聡

収録時間 : 158分
制作 : 1967  日本
レンタル開始日 : 2006-08-04 

鬼才・岡本喜八監督による東宝創立35周年記念作品。ポツダム宣言の受諾を巡り、天皇、政府、軍部が交錯した終戦直前の1日を描いたドキュメンタリータッチの戦争ドラマ。

■■■さくら82点 レンタルDVD

2時間38分という長さを感じさせない作品だった。長い作品なので、あたしは勝手にキリがいいトコロで切って、前半と後半にして鑑賞するつもりだった。なのに、観るのを止めることができなくて、結局最後まで鑑賞しちゃいました。おかげで、観終えたのが真夜中(笑)。

この映画、1967年製作だから、俳優さん達は実際に戦争を経験している人達が演じていることになる。モノクロ映画ということ、ドキュメンタリータッチということもあって、もの凄く迫力ある内容になっていた。

かなり見応えがありました。太平洋戦争、カイロ宣言、原爆投下、ポツダム宣言受諾、といった歴史的事実はムロンですが、それに向き合う人間同士の軋轢に目を奪われます。見えているものの違い、見ているものの違い・・・・・。

 

Ni_001 1945年8月の“終戦”直前を描いているんだけど、あの玉音放送に至るまでに、こんな出来事があったなんて・・・という驚きとともに、今からたった62年前の出来事ということに愕然としてしまう。

この映画に出てくる日本人(軍人)の感覚は、特殊なものではなく、当時の“教育”の賜物で一般的軍人(兵隊さん)の感覚だったのだろう。この映画の登場人物には、『硫黄島からの手紙』の二ノ宮くんが演じたような感覚は、もちろん無い。あ、“硫黄島の星条旗”の写真は一瞬写ってました。たった62年前の日本人の当たり前は、今の日本人の当たり前からはかけ離れている。

仮に特殊な状況下であったためという事であっても、かつて日本人も戦争賛美をしていたんだという事実。このDVDを観てあたしは、そっか、状況が変われば、日本人もこうなるんだ・・・と改めて実感した。

あと“天皇”という存在、“国歌”というもの、“我が民”“国体”“お 国のためを思って”という言葉、改めてその言葉が持つ意味、というか感覚みたいなモノを考えた。ニュースで「国歌斉唱を拒否・・」とか「教科書に愛国心と いう言葉・・」とか、なんかそのニュースの意味が分かっているようで、感覚的にはピンときてなかったけど、この映画にあったような感覚の上に基いているん だって理解できた。

 

日本って、本当に敗戦後になにもかもリセットされたのかもしれない。そしてリセットされたのは日本だけで、中国、北朝鮮、韓国はリセットなんかされていないんだろうって考えたりもした。

現在ロシアが実効支配している北方領土、‘密漁’として漁師が射殺されて、ビックリした。韓国と領土問題になっている竹島、島根県が「竹島の日」を 制定して、韓国から猛反発をくらったのも記憶に新しい。日本が実効支配している尖閣諸島だって、中国、台湾が返還を求めている。小泉元首相の靖国参拝に対 するバッシングは凄まじかったし、遊蹴館に見られる靖国史観は国内でも話題になっていた。安倍首相の戦争観も色々と取り沙汰されている。

歴史はリセットできるものなんかじゃなくて、当然、面々と連なっていると感じる。   

 

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おそらく高級嗜好品であったろうと思われる‘紙巻タバコ’を吸う登場人物が目に付きました。

 

戦争とたばこ たばこと塩の博物館 たばこの歴史と文化 より抜粋 

Kokubou_101_1 昭和12年(1937)に始まった日中戦争は、やがて太平洋戦争へと拡大しました。戦争中、物資は軍需用優先となり、資材の節約が励行されました。たばこ は、銘柄の削減と包装の簡易化がすすみ、印刷も一色刷りになりました。一方、軍事費確保のため通常の税金のほかに戦時負担金が付加されたり、英語の使用禁 止により名称の変更も行われました。そして、戦争の激化によりたばこも不足し、昭和19年(1944)からは配給制になるとともに「イタドリ」などの代用 葉が混入されました。

 

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下記、映画のチョット補足。皇居ってキュウジョウって呼んでたんですね。この映画で知りました。最初、あたしの頭の中では、登場人物が「きゅうじょう」って言うたびに「球場」って脳内変換されてましたよ(笑)。

 

宮城事件

宮城事件(きゅうじょうじけん)とは1945年(昭和20年)8月14日深夜から15日にかけて、一部の陸軍省幕僚と近衛師団参謀が中心となり起こ したクーデター未遂事件。日本の降伏を阻止しようと目論んだ将校達は近衛第一師団長森赳中将を殺害、師団長命令を偽造し近衛歩兵第二連隊を用いて宮城を占 拠、更に当時昭和天皇の居住していた御文庫を包囲した。しかし陸軍首脳部及び東部軍の説得に失敗した将校達は自決あるいは降伏し、日本の降伏表明は当初の 計画通り行われた。

宮城(きゅうじょう)

1873年(明治6年)に江戸城西の丸は炎上し、一時、赤坂離宮を仮皇居とした。1879年(明治12年)西の丸に新宮殿を造営することが決まり、1888年(明治21年)に明治宮殿が落成した。このときまで、皇居は皇城(こうじょう)と称されていたが、以後、宮城(きゅ うじょう)と称された。明治宮殿は、御車寄・広間から正殿、鳳凰の間、東西の溜り、豊明殿や千種の間など、応接・政務の場と天皇の住居にあたる奥宮殿が接 続していた。この明治宮殿は、1945年(昭和20年)5月、第二次世界大戦中の空襲により焼失した。なお、戦後の1948年(昭和23年)に、宮城の名 称は廃止され、皇居と呼ばれるようになった。

本土決戦

本土決戦(ほんどけっせん)とは、太平洋戦争(大東亜戦争|第二次世界大戦)において想定された戦闘の一つで、日本本土における陸上戦闘を意味す る。アメリカ軍は1945年秋以降に「ダウンフォール作戦」として実施を予定し、日本軍は「決号作戦」と称する防衛作戦を計画していた。また、ソ連軍によ る北海道や東北地方での陸上戦闘の可能性も含まれる。

原爆投下とソ連軍の参戦により、1945年8月に日本がポツダム宣言を受諾したため、本土決戦は行われることがなかった。

玉音放送】 YouTube gyokuonhousou 玉音放送

 

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下記、この映画とは直接関係してないけど、チョット知ってると、より深く楽しめる!・・かもしれない。^^;

 

松代大本営跡

松代大本営跡(まつしろだいほんえいあと)は、太平洋戦争末期、国の中枢機能移転のために長野県埴科郡松代町など(現在の長野市松代地区)の山中に掘られた地下坑道跡。象山、舞鶴山、皆神山の3箇所が掘削された。また舞鶴山地下壕付近の地上部には、天皇御座所、皇后御座所、宮内省(現在の宮内庁)として予定されていた建物も残っている。

太平洋戦争以前より、海岸から近く広い関東平野の端にある東京は、防衛機能が弱いと考えていた陸軍は、本土決戦を想定し海岸から離れた場所への中枢機能移転計画を進めていた。太平洋戦争で1944年7月にサイパン陥落後、本土爆撃と本土決戦が現実の問題になった。同年同月、東條内閣最後の閣議で、予てから調査されていた長野松代への皇居、大本営、その他重要政府機関の移転のための施設工事が了承された。

松代大本営建設作業にあたっては朝鮮半島より徴用された労働者が中心となった。-中略-。また壕周辺に慰安所は3か所あって4~5人の朝鮮人の慰安婦がこれらの施設を回っていた。

日本の分割統治計画

Ni_201 廃案になったが、第二次世界大戦で枢軸国が負けたあと、ドイツやオーストリアが米・英・ソ・仏4カ国に分割統治されたように、本土決戦後の日本も北海道・本州・九州・四国を連合国それぞれが統治しようとした計画が存在した。

 

 

  

 

 

 

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コメント

原爆投下されてから、ポツダム宣言受諾決定まで、長かったですね。
その間に、日本の各地で都市が空襲され、多くの日本人が殺されていきました。戦地でも無意味な戦闘が続き、失わないですむ若い命を失ってしまいました。どうして決断に時間がかかったのでしょう。
そんな映画が待ち遠しいです。

投稿: あのね | 2007年10月21日 (日) 17時34分

★あのねさん、コメありがとうございます。(このRe.を読んで頂けるかどうかは分かりませんが、書きたいと思います。)

「命は何にも勝って大切なものだ」という考えが絶対的なものでは無いという事を、戦争を知る度に感じざるを得ません。日本を取り巻く世界情勢がなんだかどんどん怪しくなっている昨今、未来に生かすという意味でも、過去の戦争を知ることはとても大切な事だと思います。生半可でない「日本の戦争」映画を、あたしも期待を持って待ちたいと思います。

あ、でも、いくつか既に存在している気になる「日本の戦争」映画も、順次見ていきたいと思ってます。^^

投稿: さくらスイッチ | 2007年10月22日 (月) 05時47分

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