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2007年5月 3日 (木)

150: マーダーボール

「好奇心だと思うわ 女性が身障者に惹かれるのは
母性本能がくすぐられるのかも」

Murderball_003

原題 : MURDERBALL

監督 : ヘンリー=アレックス・ルビン , ダナ・アダム・シャピーロ
制作 : ダナ・アダム・シャピーロ

出演 : マーク・ズパン , ジョー・ソアーズ , キース・キャビル , アンディ・コーン , スコット・ホグセット

収録時間 : 85分
制作 : 2005  アメリカ
レンタル開始日 : 2007-03-23

戦車のようにカスタマイズされた車いすを駆使し、その激しさから“マーダーボール”と称されるウィルチェアーラグビーの世界を追ったドキュメンタリー。アメリカとカナダ代表チームの因縁の対決を軸に、個性豊かな選手たちの人間模様を描き出す。 公式HP 

■■■さくら70点 レンタルDVD

公開された時、ちょっと興味を持ったけど、結局のところ劇場鑑賞に行かなかった。レンタルも始まったけど、正直そんなに興味を持たなかった。でも、 最近、自分がハンディキャップのある人に対して持っているイメージが、とても大雑把だったことに気が付いたので、このDVDをレンタルしてみる気になっ た。

で、このDVDを観ながらあたしが思ったことをこれから書くんだけど、とてもナイーブな話なので、どう書いても、なんかピントがズレそうなんだけど、頑張って文字にしてみたいと思う。

 

Murderball_001 まず、あたしが身障者のひと全体に持っていたイメージを端的に書くと、“弱い”ということだった。それは、身体的だけでなく、精神面でも傷付きやすそうな 感じがあった。でも、この映画に登場する彼ら(マーダーボール選手)には、強さを感じさせられた。それは、“身障者ならではの強さ”というよりも、“人間 としての強さ”“尊厳”みたいなものだった。彼ら(マーダーボール選手)には、ややもすれば感じられる「身障者だから・・・」という甘えが無い。心底、こ いつらってスゲー!!って感じた。

事故などで、後天的に身障者になってしまう。その後、走り回っていた頃の自分とのギャップを受け入れ、乗り越えていくのが、どれほどまでに難しいこ となのかを思うと同時に、回りの環境というものにも目を向けざるを得なかった。この映画のマーダーボールの選手達は、アメリカに住んでいる。家族のバック アップ云々という環境以前にも、アメリカという国がもつ“個人の尊厳を尊重する”とでもいうような雰囲気を感じた。そして“個人の尊厳”とは、いったい何 なのかとも考えた。

◆チームの監督 いわく

「一人前の男ならずる賢く立ち回れ」

◆選手の一人 事故直後の状態を話す

「新聞を取りに外に出るのも恐かった」

◆選手の彼女 いわく

「好奇心だと思うわ 女性が身障者に惹かれるのは
母性本能がくすぐられるのかも」

◆選手の一人 いわく

「女はかわいそうな男が好きなのさ」

◆選手の一人 語る

もし11歳の時 家族が米国に渡ってこず
ポルトガルに留まってたらチャンスはなかった 
米国でだからこそ ここまで成功した

ポルトガルでは 身障者の存在は恥だ 弱さの印なんだ 

米国人の誇りは持ってるし 
米国を信じてもいるが 仕事は別だ
チームも成績を残してる

 

あたしにとって、ある意味とても衝撃的なシーンだったのが、手足が無い選手が小さなダンボール箱を被って、いたずらをしかけるところだった。箱を 被った選手にもビックリだけど、それをけしかけ面白がる選手達には目をむいた。そこに流れる空気は、身障者ということを受け入れ乗り越え、なおかつ、仲間 との関係が築けている証のように感じられた。スゴい!スゴ過ぎるよあんた達!!

この映画、ドキュメントなんだけど、インタビュアーの声が入っていないのがイイよね。

ケンカについて、性について、日常生活について、オープンに話す彼らから、“何が彼らを傷つけるか”ということが見えてくる。それは以外にも、“健 常者が見せる身障者に対する思いやりの言葉”だったり“思いやりの態度”だったりするのだ。“マーダーボール”の選手として誇り高い彼らには、“弱者に対 して見せる視線”に、“人間としての尊厳”が傷付くのだ。

 

最初は、ハンディキャップのイメージを広げられたらいいなと思って観ただけの映画だけど、最後には、人間の尊厳なんてことまで考えさせられちゃったよ(笑)。Murderball_004

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