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2007年5月10日 (木)

153: アモーレス・ペロス

犬が女性の家から逃げ出す

一見 何気ないシーンだが これが一連の事件の引き金になるんだ
逃げたコフィは じきに最強の闘犬となり
登場人物たちが 巻き込まれていくんだ

このシーンがなければ 映画は始まらないね

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英題: AMORES PERROS

監督・製作:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本:ギジェルモ・アリアガ・ホルダン
製作総指揮:フランシスコ・ゴンサレス・コンペアン / マルタ・ソサ・エリソンド
撮影監督:ロドリゴ・ブリエト
美術:ブリジット・ブロシユ
音楽:グスターボ・サンタオラヤ

キャスト:エミリオ・エチェバリア  ガエル・ガルシア・ベルナル  ゴヤ・トレド  アルバロ・ゲレロ  バネッサ・バウチェ  ホルヘ・サリナス  マルコ・ペレス  ロドリゴ・ムライ・プリサント

製作年: 1999年
製作国: メキシコ
日本公開: 2002年2月2日
上映時間: 2時間33分

オムニバス風の人間ドラマ。同じ交通事故の現場に居合わせた、境遇の異なる男女3人の悲痛な思いに心を揺さぶられる。   


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『バベル』に惚れ込んでしまったので、同監督のデビュー映画を観てみる気になった♪ 

手持ちカメラによる臨場感あふれる画、色彩が伝えてくる感情、音楽が煽る想像、血濡れる場面・食事風景での匂い・・・。物語は、事故の過去・現在・ 未来が時間軸をずらして描かれ、3つの人間関係が中心になっているものの、その3つの人間関係が入り混じるわけでもない。じゃ、短編の寄せ集めなのかとい うと、そうでもない、1つの物語なのだ。共通していること、共通してないこと、同じメキシコ・シティで起こっていること、一瞬だけすれ違ってる人たち に・・・なんて考えると、あたしなりに感じられる事が浮かび上がってくる。

 

  ここで心がけたのは 闘犬の生々しさを最小限に抑える事
  非常に重い空気だったからね
  不快な思いをさせるのが 目的ではないので

うっ、実際の闘犬は、もっと凄いのね、あたしは目をそらしたくなるシーンがいくつかあった。“犬はペット”というイメージが強いので、ちょっと辛い。

 

‘男の子’の顔から純粋さが抜け落ちていく様にハラハラさせられ、可愛がっていた犬を抱きしめる3つのシーンに胸を熱くさせられ、昔の写真の自分に自分で自分の写真をコラージュするシーンに、思わず涙してしまった・・・。

写真は他でも効果的に使われていた。写真は楽しかった時間を切り取って残しているから、写真(看板)が伝える過去とのギャップは、あたしを切なくさせた。鏡も効果的に使われていた。鏡が映す画は変貌を表していて、目を惹いた。

 「神様は人間の計画を笑う」

皮肉が利いてますねぇ。一場面のセリフなんだけど、全編に言えるような気がした。登場人物たちが求めているのは“愛ある生活”。それを手に入れようと、各々が色んな行動を起こす。終わりには、ちゃんちゃん!といった感が持てる結末があるわけでは無いが、物語としては収束されていると思わせられた。登場人物のその後にも想像が膨らむ。

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『バベル』と違って、ストレートに感情に訴えてくるシーンが多いし、時間軸がずれているといっても分りやすい。描かれていたのは、男女の愛のみなら ず、親子、兄弟、犬との、愚かではあるかもしれないが、切なくさせられる愛だった。。 『アモーレス・ペロス』 も面白かった♪  

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Img_0005_1 ◆脚本は作家ウィリアム・フォークナー(1897-1962  1949年ノーベル文学賞受賞)の「響きと怒り」に影響を受けているそうです。

タランティーノの「レザボアドッグス」を見たのは、撮影が始まってから・とのことです。

レザボア・ドッグス : カンヌ国際映画祭では「心臓の弱い方は観賞を控えてください」との警告が発令するほど暴力描写が残酷でありながら緻密な人 間描写と時間軸を巧みに操った構成、さらに主題歌であるジョージ・ベイカーの『リトル・グリーン・バッグ』に代表されるスタイリッシュな劇中音楽が高い評 価を得てカルト的な人気を博した。

◆「アモーレス・ペロス」はスペイン語で「犬のような愛」を意味するが、ペロスは最低って意味の隠語でもあるらしいから「最低の愛」という意味にもなる ^^;。

聖書にみる“犬” 箴言26章11節「犬が自分の吐いた物に帰って来るように、愚かな者は自分の愚かさを繰り返す。」・・・ となると「犬のような愛」は「愚かな愛」っていう意味になるのかな?

◆この映画、“暴力的だ”として批判的な声もあったみたいですね。ちなみに、名演技を見せた犬たちは、ちゃんとした専門家のもとで薬を使用+血糊 だそうです。

メキシコ・シティでのダウンタウンでの撮影は、結構、危険だったみたいです。撮影の下見中にライフルを突きつけられて脅されたギャングを、逆に用心棒にして撮影をしたとか!? 闘犬のシーンには、その彼らが映っているようです。^^;

◆メキシコペソと日本円のレートは、1メキシコ・ペソ=約11円。つまり、40,000メキシコ・ペソ=440,000円。

<参考>

日本 : 年間勤務時間2350時間  (世帯年収平均:445万円)
メキシコ : 年間勤務時間1900時間  (世帯年収平均:81万円)

アメリカ : 年間勤務時間1800時間  (世帯年収平均:495万円)
フランス : 年間勤務時間1350時間  (世帯年収平均:350万円)

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あたしの備忘録 『バベル』 『21グラム

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コメント

アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 監督・製作
ですか。

今度DVD屋さんに行った時、借りて見たいと思います。^^

投稿: nono1 | 2007年5月11日 (金) 06時48分

★★コメ、ありがとう!

うん ぜひ借りてみて♪

赤い画面は情熱を、黄色・黄緑画面は不安を、青い画面は冷静・平安を、表しているそうです。キッチンや部屋のインテリア、家の入り口なんかは、そういった色の持つ印象を利用しているそうです。^^

投稿: さくらスイッチ | 2007年5月11日 (金) 07時05分

「バベル」色々と引っかかった部分が多そうですね。他の記事にしても一つの作品について色々と詳しく調べられてる様子で、勉強家な方だなぁ、という印象です。私はめんどくさがりなので、そういう部分は見習いたい所です(笑)
で、アモーレス~って「最低の愛」って意味もあるんですね。私は人に寄り添う犬の姿から人間も何かを学びなさいよってのだとばかり思ってたので、また色々と解釈の幅が広がりそうです。

投稿: GMN(TRUTH?ブログエリア) | 2007年5月11日 (金) 23時22分

★コメ、ありがとう! です♪

え~、勉強家といわれると、面映いです。あたしも、めんどくさがりですよ^^;。読んでいただいた忘備録が、たまたま詳しく書き込んだモノだったのだと思います。気に入った映画と、まぁまぁだった映画とのレビュには、かなり波があります。あたし自身の気分にもよりますしネ。

ただ、観ている最中は無論、観る前も、観た後も映画を楽しむ♪というのを、あたしの基本スタイルにしてはいます。趣味なので。

この忘備録が、なんらか少しでもお役に立てたのなら、嬉しい限りです。

投稿: さくらスイッチ | 2007年5月12日 (土) 02時12分

TBどうもです。
そういえば、写真、キイになってましたね。
外国の方って、大事な写真を自分のデスクとか財布に写真を持ってるのが当たり前で、自分もそういう風にやってみようかななどと思ったりもします。

ところで、この監督のカメラワーク。冒頭の「バベル」で酔ってしまいそうでした。気持ち悪くなった人がいるって、ここなのかな、とか。違いましたね(笑)

投稿: カオリ | 2007年5月15日 (火) 15時52分

★カオリさん、コメ・ありがとう! です。

そうですよね、写真を沢山飾ったり、持ち歩いたりしてますよね。それも、なんかお洒落な感じで ^^。ちょっと、イイですよね♪ あたしは、部屋の壁に大きくて(A0サイズ)真っ黒な掲示板が掛けてあって、思い出の写真や気に入った絵葉書をはっていますが、手軽で、けっこう気に入ってます。

『バベル』で体調不良になった人、何人かでたみたいでしたよね。。。^^;(笑)

投稿: さくらスイッチ | 2007年5月15日 (火) 20時58分

見ました、見ました。

確かに重たいですねー。
でも、面白かった。

暴力の使い方、カラー、スピード感などで
タランティーノを想起しました。
(キル・ビル1 と2 見てます)

あと、床を踏んだらバリッと簡単に破れたところが、
???と違和感がありました。^^

投稿: nono1 | 2007年5月16日 (水) 06時07分

★★nono1さん、コメ、ありがとう。

あ、やっぱり、タランティーノ♪ 連想しちゃうよね、うん。

た、たしかに、あんな床だったら、恐くて住めないよね。ありえねぇ~って感じですよね。日本だったら、手抜き工事と言われるな、間違いなく・・・あ、そうじゃなくても言われそうだよね。^^;

投稿: さくらスイッチ | 2007年5月16日 (水) 07時14分

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