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2007年9月 2日 (日)

209: シッコ

「医療を施さないと医者にボーナスが出る」システム!?

「タクシーに乗せて病人を貧民街に捨てる」システム!?

Sicko

英題 : SICKO

監督・製作・脚本 : マイケル・ムーア
製作 : メガン・オハラ
ライン・プロデューサー : ジェニファー・ラサム
共同プロデューサー : リーヤ・ヤング
編集 : クリストファー・スワード / ダン・スウィエトリク / ジェフリー・リッチマン

上映時間 : 1時間56分
製作 : 2007年 アメリカ
日本公開 : 2007年8月25日

ドキュメンタリー監督マイケル・ムーアが、4700万人の無保険者だけではなく、保険料を支払っている数百人にもマイナスの影響を及ぼすアメリカの 医療システムの実態を明らかにする。カナダ、イギリス、フランスを訪れ、国民全員が無料医療の恩恵を受ける国の事情を見つめながら、アメリカの混乱した医 療制度を浮き彫りにしていく。

アメリカの健康保険で最も多いのはHMOというプログラムだ。これはマネージド・ケア(管理医療)といって、保険会社が医者に給料を払って、治療法 や投薬を管理する方式だ。つまり保険会社は治療の方法を決めたり、拒否することができる。また、保険加入者を選別するのも保険会社の自由だ。すると、いっ たいどういうことになるのか? by ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記 2007-06-25

◆◆◆さくら80点 劇場鑑賞(映画の日)

アメリカの医療保険の悪い面のみ、他の数カ国の医療保険の良い面のみ、それに光を当てた映画だという事を認識しながら見なきゃと、・・・つまりは、 ある意味偏った構成になってるはずだと思ってみた。だって、アメリカでアメリカ人向けにその意識を変えるために撮影してるんだから、アメリカ人の既知の感 覚があって、それにインパクトを与えるための構成になってるはずだからね。

微妙なネタバレ有り。観る前に知っていてもOKな範囲だとは思うけど、自己判断で読んでね。 政治家 云々は、あぁ~まぁ~ねぇ・・・って思ったけど、「この米国でこんな事がおきるなんて・・・」「予約のない救急車の使用には保険は下りません、っ て・・・」「切断された中指と薬指、どちらも直すことが出来ないなんて・・・」「医療を施さないとボーナスが出る・・・」「医療制度は先進国最低、後進国 なみ」など等、たくさんの事例が挙げられている。アメリカって「医療制度は先進国最低、後進国なみ」なんだけど、医療技術は世界トップレベルなんだよね。 日本からだって、「日本では難しい手術だから」と渡米するんだから。それなのに「医療が受けられないために亡くなる」なんて!? 思った以上に結構ショッキングで強烈な映画だった。

そして、泣けて、笑えて、感動もある、・・・ドキュメンタリーの作りにはなっているんだけど、エンターテイメントの要素もちゃんと盛り込まれてい て、2時間を楽しませてくれた。医療制度云々という前に、アメリカ人が捕らえている世界観ってのも伺われて、そういった意味でもとても興味深かった。

あ、あと、映画の中にでてくる(これも微妙にネタバレ^^;)アンチ・ムーアのサイトの運営者には、カンヌ国際映画祭前(つまり、メディア情報で知る前)に連絡メールをしたらしい。お礼の言葉がその直ぐ後にそのサイトに掲載されたんだって。♪♪♪

ちなみにこの映画、日本でもヒットした『華氏911(2004)』よりも前からマイケル・ムーアが製作を発表していたもので、「SICKO」っていうのはスラングで「ビョーキな奴」って意味だそうだ。今アメリカでは、医療問題ってのがイラク問題に次ぐ国民の関心事になっているらしい、それもこの数ヶ月間で。映画の影響が大きいといえるそうだ。スゲー!

あたしが観た時も、映像が終わってエンディングが始まると席を立っていく人達がいたけど、エンディングの最中に数回、“メッセージ”が入るので、せっかくなので見逃さないように劇場の明かりが点く最後まで観たほうがイイと思う。 よ。

 
 
 
以下、『シッコ』ニュース、あれこれ・・・・

 

2007/08/31 10:03  NIKKEI NET
米医療保険、非加入4700万人に増加・大統領選へ格差論議加速

 【ワシントン=藤井一明】米国勢調査局が28日発表した2006年の家計調査によると、政府と民間が提供する医療保険に入っていない国民が4700万人に上り、前年に比べ4.9%、実数で218万人増えたことが分かった。格差を示す「ジニ係数」は、過去最高をわずかに上回り、米社会の格差の拡大が続いていることを裏付けた。米国版の経済格差を巡る論争が来年の大統領選挙に向けて高まる見通しだ。

 保険に入っていない人の増加は6年連続。今の保険の枠組みが整った1980年代の後半以降では最高の水準に達した。06年の保険の加入者は民間で0.3%増、政府で0.1%増にとどまった。いずれも総人口の伸び(1.0%)に追いつかず、保険料を納める余裕がないなど経済的な事情で保険の未加入が膨らんでいる。

 

8月30日 10時11分  アメーバニューズ
マイケル・ムーアが日本のテレビの「やらせ」に一言

――現在、日本ではテレビ番組のやらせ問題が続発しています。ドキュメンタリーにおけるやらせ問題についてどうお考えですか?

「まず言えることは、ドキュメンタリーを作るっていうことは、その中で語ることは全て“事実”として観客や視聴者に受け止められるということを制作者側がしっかり認識しなくてはいけない。そして、事実は正確に伝えなくては事実とは呼べない。僕が言えるのはそれだけ。でも、それだけは制作者が絶対に守らなくてはいけないルールだと思う」

――ところで、大減量に成功したそうですね。

「野菜や果物を食べ、水を飲みたくさん散歩するようにした。そうしたら自然と15キロも痩せていたよ。この映画を作って、保険会社へ立ち向かうためには病院にかからない健康な体を保たなくてはいけないと思った。君たち日本人は世界一の長寿なんだから、今の食生活を守り健康で居続けるんだ。そうすれば君たちの保険システムが崩れた時にも太刀打ちできるだろう。いいか、豆腐を食べろ! ハンバーガーなど食っちゃいけないぞ!」

  

2007年08月25日 13:48 AFP BBNews 発信地:ローマ/イタリア
ムーア監督、話題の新作『シッコ』をひっさげイタリア参上

米国の医療保険制度問題を追求した新作ドキュメンタリー映画『シッコ(Sicko)』のピーアールのため、ローマ(Rome)を訪れているマイケル・ムーア(Michael Moore、53)監督が24日、記者会見でイタリアの医療保険制度について語った。

■イタリアの医療保険制度を賞賛

 ムーア監督は会見の中で、米国では医療費の支払いが自己破産やホームレスになる第1の原因になっている現状を指摘。「病気になったために家を失ったというイタリア人がいたら、連れてきてください」と述べ、イタリアの医療保険制度を世界でも有数の制度だと賞賛した。

 その一方で、公的医療費を大幅削減した右派のシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)元伊首相を糾弾。現在の伊首相であるロマーノ・プロディ(Romano Prodi)氏に対し、ベルルスコーニ元首相が残した混乱を収拾するよう強く求めた。

 さらに、米国人5000万人が保険制度に加入していない事実を訴え、「どんな医療保険制度にも問題があるが、少なくともイタリアは国民皆保険制度を有している。それが人権というものではないか?」と疑問を投げかけた。

■全粒粉のパスタで、医療制度充実度も世界1位に!?

 世界保健機関(World Health Organisation、WHO)による医療保険制度の充実度ランキング(2000年度)で、イタリアはフランスに次いで世界2位。

 この事実を作品中で何度も言及していることについて監督は冗談を交えて詫びながら、「だがイタリアは2006年のサッカーW杯でフランスを破り優勝した。サッカーでは勝っている」と巧みにフォロー。「パスタの材料を、代謝されると糖に変わる精製された小麦粉ではなく全粒粉にすれば、イタリアが医療保険制度でも1位になれる」と提案した。ちなみに米国は高額の医療費を使っているにもかかわらず、同ランキングで世界37位だった。

*映画の予告編で流れるランキング表では、[10 JAPAN]の文字が読み取れる。

■「私は『不健康』の大臣」

 「暗い時代に生きているときはユーモアが必要」と語る監督は、会見に出席していたリビア・トゥルコ(Livia Turco)伊保健相について、「彼女は“健康”の大臣で、私は“不健康”の大臣だ」と、ジョークを飛ばした。

 さらに「世界中で不正行為を行う米国の資本家や企業の、闇の力が動いている」と警告。「何かを民営化すればするほど、その国は米国と同じ状況になっていくはずだ」と、付け加えた。

 

2007/08/23 シネマトゥディ
治療を受けられずに死ぬ人増加…は日本の未来! マイケル・ムーアの『シッコ』試写で政治家訴える!

8月25日に公開されるマイケル・ムーアの最新作『シッコ』。大いなる矛盾を抱えるアメリカの医療システムに、さまざまな観点からメスを入れていく衝撃のドキュメンタリーだ。本作の公開に先駆け医療従事者と国会議員を対象にした試写会が行われた。

試写会には、先日の参院選で当選した川田龍平氏(参議院議員・無所属)とすがわら一秀氏(厚生労働省政務官)らも来場し、映画を観た感想や日本の医療制度についてコメントをした。

特に医療問題には以前から真剣に取り組んでいる川田龍平氏は「アメリカの医療制度の怖さをまず感じました。この映画では無保険者の問題ではなく保険に入っているのに保険料が下りてこずに貧困になっていくことを描いています。本当に怖いことです」と映画の感想を述べ「これから日本がそういう社会になっていくのではないかと。今の医療改革がそのような方向に進んでいるのは確かで、今まで当たり前に受けられていた国民健康保険の医療制度が崩れています。患者負担が増えてきている。後期高齢者医療が4月から始まり負担が重くなるという状況があります。医療保険の問題は真剣に一人ひとりが考えていかないと守れないと思います」と遠いアメリカだけの問題ではなく、日本人にとっても身近な問題であることを訴えた。

こうコメントしたのは川田氏だけではない。全国保険医団体連合会・事務局長の室井正氏は「この映画を単にアメリカのことと考えず日本の今後の方向を示すものであり、今後の議論のきっかけにしてほしいと思います」とやはり日本の未来の姿を垣間見たかのコメントを述べた。

『シッコ』で描かれるアメリカの世にも恐ろしい保険制度とは、アメリカには、国の運営による健康保険が存在せず、国民は民間の保険会社に加入するしかないということ。恐ろしいのは治療費が払えないと、医者から治療を拒否されたり、入院中でも病院を追い出されたりすることが日常的に起きている。6人に1人が無保険で、毎年1.8万人が治療を受けられずに死んでいく。今やアメリカでは、事故、犯罪、テロ、戦争ではなく、治療費を払えないという理由で命を落とす人数のほうが圧倒的という。   

 

2007/08/22 cinema topics online
日本の医療改革が“改悪”にならないように…『シッコ』は、医療従事者・政治家 試写会を開催!
 

アメリカの医療保障問題にマイケル・ムーアがメスを入れた映画『シッコ』。
全国保険団体連合会とギャガ・コミュニケーションは、この『シッコ』が今後の日本の医療現場・医療制度において、日本の医療改革が"改悪"にならないよう、警鐘を鳴らす作品であると考え、都内で関係者を招いて試写会を行った。

すでに、医療費の大幅削減、介護医療の民間への委託に伴う事件なども起こっており、まさに今、年金だけではなく、医療制度・健康保険についても、目を向けていいのではないかと思っております。そのような理由から、医療従事者や政治家の方に観ていただくため行なった。

<国会議員のご来場者>川田龍平氏(参議院議員・無所属)/すがわら一秀氏(衆議院議員・自民党・厚生労働省政務官)/阿部とも子氏(衆議院議員・社会民主党・厚生労働委員会委員・小児科医師)/大島あつし氏(衆議院議員・民主党)/亀井亜紀子氏(参議院議員・国民新党)/伊藤信太郎氏(衆議院議員・自由民主党副幹事長)

        

『シッコ』の最新ニュース

  
  

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日本の医療に関しても、色々TV等で取り上げられているよね。ニュース以外では、個人ブログ「やぶ医師のつぶやき」をずっとチェックしている。ニュースでは判り難い面にも光があてられているので、もうずっと読ませてもらっています。

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