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2008年2月28日 (木)

297: 太陽を盗んだ男

東海村のプルトニウム泥棒・・・核保有“9番”

Taiyou01

監督 : 長谷川和彦
製作 : 山本又一朗   
プロデューサー : 伊地智啓   
原案 : レナード・シュレイダー   
脚本 : 長谷川和彦 レナード・シュレイダー   
撮影 : 鈴木達夫   
美術 : 横尾嘉良   
編集 : 鈴木晄   
編曲 : 星勝   
音楽 : 井上堯之   
音楽プロデューサー : 多賀英典   
照明 : 熊谷秀夫   
制作進行 : 黒沢清   
録音 : 紅谷愃一   
助監督 : 相米慎二 榎戸耕史

キャスト : 沢田研二 菅原文太 池上季実子 北村和夫 神山繁 佐藤慶 水谷豊 小松方正 西田敏行 伊藤雄之助 風間杜夫 汐路章 石山雄大 江角英明 草薙幸二郎 戸川京子

製作 : 1979年 日本
時間 : 147分

中学校の物理教師の城戸誠(沢田研二)は、東海村の原子力発電所からプルトニウムを強奪し、自室での原爆製造に成功する。彼はそれを武器に、自ら“9番” と名乗り、政府に対してTVの野球中継の延長や… 映画生活

【YAHOO!JAPAN 映画】 ★★★★☆ 4.69点/48レビュー
【映画生活】
★★★★ 78点/27人

◆◆◆さくら 6575点 レンタルDVD

興行的には芳しくなかったらしいけど、カルト的な人気が今もある映画。あたしは、個人的にちょっと苦手なノリもあったけど、それなりに楽しめた。

プルトニウムを扱っているので、戦争メッセージか原発メッセージのある映画を想像してたんだけど、そういったメッセージ性が無い訳じゃないけど、 思ったより薄かった(と観終えた直後は思った)。それよりも、社会に対する漠然とした不満が募っている、若者の大きなエネルギーを感じる映画だった。

ハイになった主人公が、ボブ・マーリーの“Get Up Stand Up”にあわせて踊るシーンなんてサイコーだし、 ところどころにあるアートっぽい映像も面白かった。

奇抜さを感じる割に、時代を超えた感性のある映像、時代を超えた普遍性を感じる物語だった。今見ても“褪せない新しさ”を感じた。

 

・・・・・・
Get up, stand up: stand up for your rights!
Get up, stand up: stand up for your rights!
Get up, stand up: stand up for your rights!
Get up, stand up: don't give up the fight!

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以下、ネタバレ有り。
 
 
 

物語が次第におバカなノリに変化していくのが凄く楽しかったんだけど、長谷川監督のwiki(以下)を読んで、作品の背景にある思いを、ちょっと考え直した。
 

監督◆長谷川和彦

Hasegawa01_2 父は農協勤務、母は教師で三人兄弟の末弟。1945年8月、母が原爆投下2日後に広島市に入り放射能を浴びる。長谷川は胎内5ヵ月のため胎内被爆となった。その後広島市翠町(現・南区翠町)で育ち広島大学付属高校へ進む。高校時代はジャズに熱中、テナーサックスを吹きバンドも組んだが挫折。

卒業後は東京大学文学部英文科に進んだ。在学中は大学闘争真っ盛りの時期、しかしそれには参加せずアメリカンフットボール(アメラグ)に熱中した。なお愛称の「ゴジ」は、大学時代アメフトのボールを長髪を振り乱して追う形相を、先輩が「ゴジラそっくり」と言ったのが始まりらしい。自ら「麻雀とアメラグだけのノンポリフーテンだった」と話す。

英文科に3年在籍、のち映画監督を目指して美学科に変わり、在学5年目の1968年、映画『神々の深き欲望』の制作スタッフ公募に応じ、今村(昌平)プロに入社。大学は中退した。

 

『太陽を盗んだ男』以降、現在に至るまで映画監督作品は無い。長らく“次回作が見たい映画監督ナンバーワン”と言われ続けてきたが、余りにもブランクが長くなりすぎて、最近では待望する声も少なくなってきた。

 

傑出した二本の監督作のみで伝説的映画監督と化しているが、未だ熱烈な支持者を持っている。

長年、女優の室井滋と同居生活をしている。

 

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制作年と内容から、監督は60年代~70年の大学闘争経験者でその時の熱い思いと、今(70年代末)の無味乾燥な日常を打破したい思いを、ちょっと皮肉っぽくこの映画で表現したのかな、なんて想像してた。アナキズム的な作品なんだけど、そのアナーキーさは大学闘争とは別に根っ子があったんだと、上記wikiを読んで思った。

戦後日本で、原爆をこういう風に扱うなんてよく出来たなぁ、と妙な感心をしてしまったあたしだけど、監督自身が胎内被爆者だったのね。抗議団体にも、それで説得したとか。

戦争が終結してから生まれ、戦争の記憶は無いのに、自分の体には消えない戦争の事実が刻み込まれているなんて、とっても複雑な気持ちを抱くと思う。原爆症が発症して死んじゃうかもしれない恐怖もあるし、被爆者差別もあるし、ね。主人公が象徴していたのは、「社会に対する漠然とした不満が募っている“若者”」だと思ったけど、「社会に対する漠然とした不満が募っている“被爆者”」でもあったんだ、“被爆者”というのも重要なポイントだったんだ、と認識を新たにした。

主人公は、原爆を落とされて被爆したわけじゃなく、変わり者ではあるけどちょっとカッコヨク、そして破滅的だった。そこに、原爆の記憶が無い被爆者で、カッコヨクありたいと(たぶん)思い、そして原爆症の不安を抱えいつ死んでもいいやと(たぶん)思っていた長谷川監督自身を投影していたんだ、と思った。

なんて色々考えてたら、ラストシーンが哀しく思えてきた。当時の監督は、被爆者としての未来に希望を抱けなったのかも、・・・なんて思っちゃったから。「こんな世界なんて消えてしまえ!」という思いが、観終えた直後より重く伝わって来た。

そういった時代的な特異性や監督の個人的思いを感じる一方で、社会の閉塞感に辟易して反発する、目的意識が持てない自分にいらつく、と言うどの時代にも共通する空気感には、共感する部分も多々あった。

 
 
◆2008.03.10 リンク追加 : 長谷川和彦発言 「太陽を盗んだ男」は要求のない時代に生きる俺自身のメッセージだ。 キネマ旬報1979年10月下旬号

  

 
主人公・城戸誠
沢田研二

Sawada01_3 沢田 研二(1948年6月25日 - )は、鳥取県生まれ、京都市出身の歌手、俳優、作曲家。ニックネームはジュリー。妻は田中裕子。

 

同時期の伊藤エミとの結婚後も沢田は順調にスターダムを駆け上るものと思われたが、その矢先に新幹線暴行事件が起きる。1975年12月、帰京する沢田を待ち受け東京駅のホームに殺到したファンを整理していた国鉄職員の発言からトラブルとなり、相手を頭突いて軽傷を負わせ、さらに翌1976年5 月、今度は新幹線車内で男性乗客に「いもジュリー」(「いもにいちゃん」という説もある)とからかわれたことからトラブルとなり、相手の口を殴って怪我を負わせた。一連の騒動によって沢田は6月15日から1カ月間謹慎。同年の「紅白歌合戦」や音楽賞に姿を現すことはなかった。

しかし、謹慎から復帰した沢田は謝罪会見を経て精力的に活動を再開。復帰後に発表された2曲のトップ10ヒット「コバルトの季節の中で」と「さよならをいう気もない」を経て、1977年5月21日に発売されたシングル「勝手にしやがれ」は約90万枚を売り上げる大ヒットとなり、同年末の主要な賞レースを独占した。1978年には「LOVE (抱きしめたい)」でその年の日本レコード大賞最優秀歌唱賞受賞。同年の「紅白歌合戦」では、それまで演歌歌手が独占していた大トリを初めてポップスの歌手として務めた。

70年代の後半は「テレビでジュリーをみない日はない」と言われるほどの過密スケジュールをこなした。当時高視聴率を得ていたランキング形式の歌番組でも常に上位を賑わし、本人曰く「いつもピカピカ一等賞」を目指した。当時の歌謡界において人気のバロメーター的な存在だったTBS系列の「ザ・ベストテン」では、1978年11月から1982年12月までの4年間に250週中54.4%を占める136週(138回分)に渡ってランクインを果たしている。

 

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当時人気のあったジュリーのファン向けサービスショット満載だった、ような気がする(笑)。シャワーシーンだって、女装シーンだって、ファンにしてみたら q(≧∇≦*)(*≧∇≦)p キャー だったんじゃないかな。演技としては、お世辞にも上手とは言えないけど、どことなく破滅的な雰囲気が感じられるジュリーには、ハマリ役だと思った。
 
 
 
 

 

 

どんな個人も こんなモノを必要としない
原爆を必要とするのは 国家だけだ

“アラジンの魔法の原爆” 。・゜・(ノ∀`)・゜・。

Taiyou02

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