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2008年5月10日 (土)

黒澤明監督のスケッチ

人物を“彫る” 

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黒澤明監督が元画家(の卵?)という事は知っていたが、あたしは『全集黒澤明 第四巻』で初めて黒澤自身のスケッチを見た。知ってる人は知ってると思うが、コレ↑は映画の撮影中に俳優さんをスケッチしたものではない。『七人の侍』の脚本を書く前(=橋本忍の第一稿後、共同で本稿を書く前)に、登場人物の詳細な特徴を描いたものの一部だ。

歩き方はこう、歩くときの姿はこう、わらじの履き方はこう、後ろから声をかけられたらこういうふり返りかたをする、前から声をかけられたらこうかがめて見る・・・・といった具合に、事細かく人物が彫られていて、勘兵衛だけでもノート半分があてられていたらしい。。。キャラ作りってやつだ。

 
このノートを見て、共同で脚本を書き上げる橋本忍wikiは愕然とする。何故なら、脚本家としてはもう間もなく黒澤明を追い抜ける、と思っていた時期だったからだ。追い抜けるどころか、自分は絵も描けないし人物を彫る方法を持っていない・・・と気付く。で、橋本は橋本自身の方法を編み出すんだけど、この「脚本を書く前に人物がどれだけ彫れるか」という事の重要性を、橋本自身の著書『複眼の映像』で述べている。

人物を彫ってなくても脚本は書けるけど、内容が上っ滑りになってしまう、と。脚本の出来は、脚本を書く前にどれだけ登場人物が彫られているかにかかっている、と。リアリティはそこから生まれる、くらいの事を言っている。

 
成る程ねぇ~、とあたしは思った。物語の中じゃない時間も生きている事が感じられる登場人物に仕上げる、つまり、登場人物にリアリティを持たせるためには、脚本を書くという「物語の時間を切り取る」作業の前に、人物を存在させておかないといけないんだね。

その方法がスケッチ、というのが絵が描ける黒澤らしい。人物イメージを共有しやすいこの方法は、共同脚本という形態をとっていた黒澤にとって、大きなメリットがあったに違いない。 

映画の裏側にある作業って興味深い。 。。

 
 
映画を観に行けてないので、映画関係の話でお茶を濁してみました。^^;

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コメント

>人物を彫る

>物語の中じゃない時間も生きている事が感じられる登場人物に仕上げる

いい表現だね 成る程って思ったtoo

黒澤監督のスケッチでは「夢」の絵コンテが印象深い

あ ケーキ おいしそー ^^

投稿: nono1 | 2008年5月11日 (日) 08時48分

んふふ♪

このロールケーキ それもフルーツロールのほう お気に入りなの^^
ホント美味しいのよ~ 

投稿: さくらスイッチ | 2008年5月11日 (日) 20時23分

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» 橋本忍 『複眼の映像 -- 私と黒澤明』 [試稿錯誤]
橋本忍と黒澤明@昭和35年  共同脚本、というのは黒澤の専売特許なのか?そんなことはないはずである。小津安二郎もやっていたはずだ(しかし、<共同>の形態がちがっているのだろう)。 黒澤のやり方は、全く同じ場面を2人~3人が描き、仲裁を別のライターが行う、というやりかた。                                   なぜ共同なのか?黒澤は、監督の自分だけで書くと、現場で辛くなる書き方をつい省略するから、であると説明する、   が、 橋本忍はそれは、まっ赤な... [続きを読む]

受信: 2008年5月13日 (火) 19時40分

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