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2008年5月28日 (水)

335: パフューム ある人殺しの物語

「究極の香り」の13番目はコーラ! (笑)

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原題 : Perfume: The Story of a Murderer

監督 : トム・ティクヴァ
制作 : ベルント・アイヒンガー
脚本 : アンドリュー・バーキン , ベルント・アイヒンガー , トム・ティクヴァ
原作 : パトリック・ジュースキント

出演 : ベン・ウィショー , レイチェル・ハード=ウッド , アラン・リックマン , ダスティン・ホフマン

制作 : 2006年 ドイツ
収録時間 : 147分

パトリック・ジュースキントのベストセラー小説を元に、類稀なる嗅覚を持つ男の才能と狂気を描いたサスペンス。18世紀のパリ。孤児・グルヌイユは生まれ持った抜群の嗅覚を活かして調香師となるが、時を同じくして猟奇殺人事件が発生し…。PG-12作品。

IMDb★★★★★★★☆☆☆ 7.5/10 30,508votes
YAHOO! MOVIES】 ( ABCDF ) The Critics : B-/9reviews Yahoo! Users : B/1,950ratings
YAHOO!JAPAN 映画
★★★☆ 3.56点/751人
映画生活
★★★☆ 68点/181人

◆◆◆さくら73点 レンタルDVD

特出した才能ゆえに自らの欲求に抗いきれない、というか抗わなければならないとも思っていなさそうな主人公グルヌイユの感覚が面白かった。ただ、あ たしはこの“天才的な才能”という点だけで見ていたので、DVDを見終えた直後はラストシーンにちょっと拍子抜けしてしまった。

なので、しっくりこなかったクライマックスからラストまでを中心に、それ以前も少し含めて色々と想像してみた。
 
以下、ネタバレあり!

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究極の香水を作りたいのは、才能があるからこそ感じる快楽に対する欲求であり、存在したという証に名を残したいという欲求でもあったけど、 それだけじゃなかった。彼にとって究極の香りであるプラム売りの少女の体臭が欲しかった・・・。究極の香水を作る事は、既に死んでしまった(殺してしまっ た)プラム売りの少女を愛し、愛されたいという気持ちの代償行動だった。

広場で究極の香りでトランス状態(?)になった群衆が愛し合っている時、中央の拷問台の上に一人ポツンと残された無臭の彼。目前の光景を見渡しなが ら、これで無罪になった上、望みかなって名(自分の存在)を残せる、と思ったのかな。それとも、愛し合える彼らを羨ましく思ったのかな。・・・おそらく後者だろう。一人取り残された彼は、籠から こぼれ落ちたプラムの香りを嗅ぎ取り、プラム売りの少女と想像の中で愛し合う。そして、それが自分の本当の望みだったと認識すると同時に、それは実現しない夢だと悟る。そんな彼の意識に上ったのは、生まれた場所だった。彼は生まれた場所で、自らの存在を消してしまう。なぜなら、生きる望みが無くなってしまったから。 。。。

彼は「存在」を残せなかった

彼は「存在」を残さなかった

伝説の香水を作った男の物語

ま、あたしの個人的印象によるボンヤリした想像に過ぎない(笑)。

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彼にとって香りがあるという事は、そのモノが存在しているという事とイコールで、そして香りがあって初めて、そのモノに対する好悪(=いい匂い・酷い匂い)がある。だから人間にも香りがあって初めて、存在を認識でき愛し愛される対象になり得る。そんな彼独特の世界観を想像するのは思った以上に楽くて、DVDを見た直後には拍子抜けしたクライマックスからラストにかけても、今にしてみれば面白かった、と思い直した。

 

Alan_rickman6 「死にそうになっても身近な人の寿命を奪うようにして生き延びる」、「香りが生きている証であり生命そのもの」に対して 「無臭の彼」、「カトリック教から破門すればXX」、・・・といった宗教っぽくもあり哲学っぽくもある展開の仕方は、宗教と哲学と科学が分離していなかっ た18世紀半ばのフランスが舞台ならではだと思った。^^♪

 

・・・・・
◆主人公グルヌイユが究極の香水を求め辿り着いた先、グラース。グラースの繁栄は、13世紀のなめし皮産業に始まる。16世紀には皮の匂いを消すために、皮手袋に花の香りを染み込ませるという技法が取り入れられ、その後、皮革製造と香水製造は切り離され、天候と地形に恵 まれたグラースでは、花の栽培が盛んになり、香水産業が町の代表的産業となって発展する。そして19世紀には、グラースの街一面に花畑がみられるようにな り、世界で最も重要な“香水の街”へと成長した。現在世界的に活躍している調香師の多くは、このグラースの地で修行した経験をもつといわれている。
 
◆広場に集まった750名の群集は、約50名のダンサーをキープレイヤーとする150名の中心集団をつくり、そこに600名のエキストラを加えたものだそうだ。素人のエキストラだけで、あの愛のシーンは無理だものね。

◆映画で「究極の香りの13番目」に使われた液体はコーラだった、という記事を読んで、ちょっと納得する自分がいて笑ってしまった。コーラの香料って、何なんだろう? 確か一般に公開されていないんだよねぇ。
 
 
 
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» パフューム ある人殺しの物語 [★YUKAの気ままな有閑日記★]
映画を観る前に原作を読んでみた。良い意味でも悪い意味でも匂い立つ小説、世界45ヶ国で1500万部を売り上げた驚異のベストセラー『香水 ある人殺しの物語』は、どう映像化されるのか―【story】18世紀のパリ。悪臭立ちこめる魚市場で一人の子どもが産み捨てられる。名をジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。彼は一切の体臭を持たない代わりに驚異的な嗅覚を持っていた―。ある時グルヌイユは、偶然出会った女の芳香に取りつかれ、その香りを手に入れるために調香師(ダスティン・ホフマン)に弟子入りし、日々... [続きを読む]

受信: 2008年5月29日 (木) 18時44分

» 映画「パフューム ある人殺しの物語」 [茸茶の想い ∞ ~祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり~]
原題:Perfume -The story of a murderer-  ※いわゆるひとつのネタバレ 赤毛の女性は芳醇にして妖艶、天国へといざなう至高の香りを放つ・・?「ラン・ローラ・ラン」は好きな映画だが、これは感動も共感も教訓も得られなかった 冒頭いきなり衝撃的なシーンがある。ひ... [続きを読む]

受信: 2008年5月30日 (金) 00時07分

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