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2008年6月 7日 (土)

339: 11'9''01/セプテンバー11

アメリカと世界の関係を浮き彫りにする・・・

September_11_00

原題 : 11'09''01 - September 11

◆イラン
監督:サミラ・マフマルバフ  出演:マリヤム・カリミ

◆フランス
監督:クロード・ルルーシュ  出演:エマニュエル・ラボリ、ジェローム・オリー

◆エジプト
監督:ユーセフ・シャヒーン  出演:ヌール・エルシェリフ、アフメド・ハロウン

◆ボスニア・ヘルツェゴビナ
監督:ダニス・タノヴィッチ  出演:ジャナ・ピーニョ、アレキサンダー・セクサン、タチアナ・ソイッチ

◆ブルキナファソ
監督:イドリッサ・ウエドラオゴ  出演:リオネル・ジスリエル・ギレ

◆イギリス
監督:ケン・ローチ  出演:ウラジミール・ヴェガ

◆メキシコ
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

◆イスラエル
監督:アモス・ギタイ  出演:ケレン・モル、リオン・レヴォ、トメル・ルソ

◆インド
監督:ミーラー・ナーイル  出演:タンヴィ・アズミ、タレブ・アドラー、カプリ・バワ

◆アメリカ
監督:ショーン・ペン  出演:アーネスト・ボーグナイン

◆日本
監督:今村昌平  出演:田口トモロヲ、麻生久美子、柄本明、倍賞美津子、市原悦子、役所広司、緒形拳、丹波哲郎

制作 : 2002年 フランス・イギリス他
収録時間 : 134分

フランスの作家、アラン・ブリガンの発案によりスタートした「11'09"01 / セプテンバー11」のプロジェクト。001年9月11日N.Y.で起きた同時多発テロをテーマに、世界11か国の監督が11分9秒1フレーム(事件の日と同じ数字の並び)で「あの日」を表現。11本のオムニバス映画が誕生した。 シネマトゥデイ  各ストーリー概要はこちらを・・・

IMDb★★★★★★★☆☆☆ 7.0/10 2,560votes
YAHOO! MOVIES】 ( ABCDF ) Yahoo! Users : B+/70ratings
YAHOO!JAPAN 映画
★★★★ 4.6点/36人
映画生活
★★★★ 81点/10人

◆◆◆さくら75点 レンタルDVD

2001年でアメリカで起こった9.11を、翌年の2002年に11人の監督が自身の文化的背景を基にして制作したショートムービーを、約7年後の2008年に日本に住むあたしが見る。

アメリカって存在感あるねぇ~、ホント。だから、色々な国から見た9.11というのは、とても興味深かった。・・・・・9.11のニュースを知った時、「アメリカという国」に素直に同情を寄せられる人は少なかったんだろうな、もしかして皆無だったかも、なんて思った。実は、アメリカ国内にだって、リアル感のない他人事みたいに感じていた人だって少なくなかったんだろうな、なんても思った。アメリカという国の欺瞞や、アメリカ以外の不幸や、戦争が生む哀しみや、色々な思いが淡々と伝わってきた。

**********

以下、ネタバレあり。
 
 
 
 
 

September_11_10イランのサミラ・マフマルバフ監督の映画。「核兵器保有疑惑」があり、ブッシュ米大統領が「悪の枢軸」と発言した「イラン、イラク、北朝鮮」のうちの一国。

(アメリカからの)核攻撃に備えて“日干し煉瓦のシェルターを造る”という現状・・・。そして、空高くそびえる煙突に、9.11で亡くなった犠牲者に、分けも分からず黙祷を捧げる生徒たち。そんな一般市民の姿に切なくなった。

September_11_04フランスのクロード・ルルーシュ監督の映画。アメリカが「国際社会で結束してテロと戦うべき」と叫んでいた時、それに同調しなかった国。

舞台はNY、感情的になっている耳の聞こえないフランス女、辟易している手話の出来るツアコンのアメリカ男。話すにも、男が背を向ければ、女の声(手話)は届かない。・・・最後、粉塵にまみれた男と抱き合う女。

エジプトのユーセフ・シャヒーン監督の映画。アメリカはテロ対策として、人や物の出入りを厳しくチェック&制限するようになった。特にエジプトを含む中東を危険地域として厳しく対応した。けど、そんな状況は別にして・・・

過去、戦争が起こるたびに失われたのは、多くの若い命。 。。なんだよね。

September_11_05ボスニア・ヘルツェゴビナのダニス・タノヴィッチ監督の映画。20万人という死者をだしたボスニア紛争(92-95年)の傷跡癒えぬ人々の国。

無くした家、無くした足、満足に無い物資・・・・、訴える女性たち。争いが生む悲劇。

September_11_06ブルキナファソのイドリッサ・ウエドラオゴ監督の映画。いわゆる第三世界といわれる西アフリカの国。アメリカは9.11の犯人を逮捕するために中東各国に協力を要請したんだよね、賞金をかけて・・・。おそらく、西アフリカにも要請したんだろう。賞金目当てで通報された罪の無い人たちが、ある日突然連れていかれて拷問を受けたりしたようだ。

でも、それを子供の世界で風刺すると、大人ってなんて愚かに見えるんだろうか・・・。笑える。

イギリスのケン・ローチ監督の映画。

チリ・クーデターが題材。自分たちのやってきた事を振り返って見ろ!、これで少しは痛みが分かるようになっただろう!、自由を尊守といいながらも御都合主義のお題目に過ぎない、今度だって負の連鎖の結果だ!、・・・とでもいうような、もの凄く辛辣な感じ。 。。

メキシコのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の映画。

明滅させながら、ダイレクトに9.11の映像を使っている。人が飛び降り(自殺)激突する音が続くのが怖い。痛い。怖い・・・怖い。 。。ツインタワーの建物が崩壊した映像がよく使われるけど、あれは大勢の人が亡くなる瞬間の映像でもあるんだよね。うん。

September_11_01_2イスラエルのアモス・ギタイ監督の映画。宗教的にも人種的にも複雑な背景を持ち、いつも不安的な国。

イスラエルで起こった自爆テロの中継。「アメリカでありえない事が起こったんだ」と中継が中止される。“事件の重さ”によって優先順位が付く報道の世界。

September_11_09インドのミーラー・ナーイル監督の映画。9.11でアメリカ国内のイスラム教徒への偏見も助長された。まじめに普通に生活しているインド人でも、その被害を受けた。

「分かるわ、私も母親ですもの」「分かりはしない。帰ってこない子の母にならない限り!」。そして最後、告別式での母親の言葉のひとつひとつが、胸に突き刺さる。

September_11_02アメリカのショーン・ペン監督の映画。

TVでLIVE映像としてツインタワーに飛行機が激突する映像が流れているのに興味を示さない男性も、枯れた鉢植えに花が咲けばあり得ないとビックリする(苦笑)。今まで日が当たらない部屋だったのに、(高い高い建物だったツインタワーが崩壊したため)どんどん日が差してくる部屋・・・よみがえる鉢植え、そのくらい9.11は「あり得ない」出来事だったんだね、アメリカにとって。それを花が咲く事で表現してるってことは、希望を忘れるな、とも言いたいのかな???

September_11_07日本の今村監督の映画。

「これは聖戦(ジハード)だ」と過激派は声明をだした。対するアメリカは、2001年10月からアフガン戦争を始め、2003年からイラク戦争を始める・・・。ラストにあった言葉「聖戦ナド アリハシナイ」、この言葉はアメリカにも向けられている。

このラストの言葉は、内容をストレートに強調していて、クドイと言えばクドイんだけど、ラストを飾る一本として強いインパクトを残した。今村監督の映画を振り返る時だけでなく、他の監督の映画を振り返る時の糸口にもなった。

**********

11分という短編だからこそ、世界に流れた時間、見る側に積み重ねられた時間によって、見えるものが変わってくる。もし、あたしが2002年にこの映画を見ていたら、また別のものが見えたと思う。見る人によっても、見えるものが違うだろうしね。

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