359: ダークナイト
対テロ戦争を行うブッシュ政権のアメリカの姿を
どうしても重ねてしまうシーンと台詞の数々・・・
バットマン&デント検事 vs ジョーカー = アメリカ vs テロリスト !?
脅しも 理屈も 交渉も 通じない相手
人の心にある恐怖を煽り モラルを失くしていく様子
ただただ それを楽しむジョーカー
モラルって何? 正義って何? 秩序と平和を取り戻す力は何?
ジョーカーの狂気 デント検事の絶望 バットマンの苦悩
そして何より 映画の中でバットマンがとった選択に
未来を考えさせられる
ジョーカーはどういった力と方法で どんな裁きを受けるべきなのか?
それが未来にたどるゴッサム・シティの道筋を決めるのだろう
・・・夜は夜明け前が最も暗い
原題 : THE DARK KNIGHT
監督 : クリストファー・ノーラン
製作総指揮 : ベンジャミン・メルニカー 、マイケル・E・ウスラン 、ケヴィン・デラノイ 、トーマス・タル
音楽 : ジェームズ・ニュートン・ハワード 、ハンス・ジマー
脚本 : ジョナサン・ノーラン 、クリストファー・ノーラン
出演 : クリスチャン・ベイル マイケル・ケイン ヒース・レジャー マギー・ギレンホール ゲイリー・オールドマン モーガン・フリーマン エリック・ロバーツ アーロン・エッカート
製作 : 2008年 アメリカ
時間 : 152分
映画『バットマンビギンズ』の続編で、監督は前作から続投のクリストファー・ノーラン。またクリスチャン・ベイルも主人公、バットマンを再び演じる。そして敵役のジョーカーを演じるのは2008年1月に亡くなったヒース・レジャー。
悪のはびこるゴッサムシティを舞台に、ジム警部補(ゲイリー・オールドマン)やハーベイ・デント地方検事(アーロン・エッカート)の協力のもと、バットマン(クリスチャン・ベイル)は街で起こる犯罪撲滅の成果を上げつつあった。だが、ジョーカーと名乗る謎の犯罪者の台頭により、街は再び混乱と狂気に包まれていく。最強の敵を前に、バットマンはあらゆるハイテク技術を駆使しながら、信じるものすべてと戦わざるを得なくなっていく・・・シネマトゥデイ
【Rotten Tomatoes】 94%
【IMDb】 ★★★★★★★★★☆ UserRating:9.2/10 (230,480 votes)
【YAHOO! MOVIES】( ABCDF ) The Critics : A-/14reviews Yahoo! Users : A/47,818ratings
【YAHOO!JAPAN 映画】 ★★★★☆ 4.51点/790人
【映画生活】 ★★★★☆ 86点/115人
【エイガ・ドット・コム】 User's Rate : A+ 見たい度 : ★★★★☆4.3/261票
◆◆◆さくら評価 80点 劇場鑑賞
2時間32分を少々長すぎると感じた映画だった。がしかし、その少々冗長にも感じる展開のおかげで、最初はバッドマン目線で見ていたのが、徐々にゴッサム・シティ市民目線で見るようになり、最後にはあたし自身の目線で見るように変化していった。主人公への感情移入&共感から、映画全体を醒めた目で見られるようになり、色々と考えるようになっていったのだ。
脇を固める演技達者で個性的な俳優陣あってこそだけど、今年1月に亡くなったヒース・レジャーが演じるジョーカーの存在感が際立っていた。裂けた口を縫い合わせた傷跡、剥げ欠けた化粧、耳に残る笑い声・・・
存在感はジョーカーがピカイチだったが、映画の見所はジョーカーの仕掛けた罠に対するレイチェル、ゴッサム・シティ市民、デント検事、そして何よりバットマンの選択にある。悪魔的な狂気を放つジョーカーを、バットマンは愛するレイチェルを殺されてなお、殺せるタイミングがあっても殺さない。何故か?
仮に、第二次世界大戦中のアメリカの精神性を反映したヒーローだったら、敵をやっつけて、街に平和と秩序を取り戻させチャンチャン、という結果になりそうだ。
アメリカは第二次世界大戦後も、世界の警察を自認し、数々の戦争を経験してきている。その結果どうなっているか、9.11以後に対テロ戦争を始めた結果どうなっているか。アメリカの精神性を反映させた人物デント検事の正義感は、愛する人を失い脆くも崩れ去り、絶望と憎しみゆえに報復の選択をする。彼の主張する公正さは、明るい未来をゴッサム・シティにもたらさない。デント検事の姿は、ブッシュ政権のアメリカを彷彿させる。
アメリカの精神性を反映させたもう一人の人物バットマンは、正義を貫くために不正な手段を用い、そしてその結果、事態が悪化していってしまう。そんな彼の苦悩は複雑で深い。そして彼は、私死刑がどんな場合であっても許されないというモラルと信念を持ち、自分がジョーカーを殺す事は本質的な解決に繋がらない事に気付いているために、愛する人を殺されてもジョーカーを殺さないという選択を貫き通した。彼の選択は、どんな未来を指し示すだろうか。
ゴッサム・シティを逃げ出した市民が示した勇気には、暗い展開が多い中で希望の光を見せてくれる。しかし、それは容易い事ではない。どうしても考えてしまう、あたしがあの船に乗っていたらどうしたか、と。このシーンにも、モラルvs恐怖、自国vsテロの構図が垣間見えた。
今のテロは国も宗教も民族も関係ない上に、秩序や平和を求めていると思えない様相も見せる。西欧諸国vsイスラム原理主義ばかりでは無くなってきているのだ。何で括れるかと考えると、支配と一方的な正義を振りかざす存在に対する反発と憎悪、あるいは貧しさに根付く不満と絶望だろうか。対テロ戦争が逆にテロリストを増やしている。
自分自身をひき殺せと叫ぶジョーカー、義理も人情も信義もないジョーカー、資本主義の最大の力であるお金に火を付けるジョーカー、彼には脅しも、理屈も、交渉も通じない。見方を変えればルールも人間らしさも信義も持ち合わせている、そんな存在では無いのだ。テロリストとしては、最強で最悪だ。だから、誰の手にも負えない。彼を何の力でどう裁く事が出来るのか? そして、彼を何の力でどう裁くべきなのか? そもそも、裁く事で問題の本質的な解決に至るのか? 彼をそうさせた要因はどこにあるのか?
・・・なんて、色々と連想し想像してしまった。本作中で描かれる数々のジレンマにアメリカの姿を見ると同時に、自分自身のあり方をも問われた気がした。『ダークナイト』に色々と考えさせられる8月15日になった。というか8月15日だから、こういう連想をしたのかもしれない。観る時によっては、違う時代を反映させられる普遍性を持っていそうだ。こういう映画は、いつ観ても古臭くならないんだろうなぁ。数年後に、又、見てみたい。
そういえばこの映画、部分的にIMAX撮影されているから、IMAXスクリーンで観たかったなぁ~。
自警市民バットマンも 自分と同じ化け物だと言ったジョーカー
自分と同じ様に 悪い心が全ての人間の本質だと思っているが・・・
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