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2008年9月20日 (土)

『襤褸と宝石 画家 佐伯祐三の生涯』

「あたしがいなきゃ あの人は一枚の絵だって仕上げられなかったのよ」

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左上:「カフェ・レストラン」(1928年)大阪市立近代美術館建設準備室蔵
左下:1920年(22歳)頃の佐伯祐三
右下:「立てる自画像」(1924年)

NHK特集 『襤褸(ぼろ)と宝石 画家 佐伯祐三の生涯』

Saeki05原作・脚本:中島文博
制作・音楽:坂田晃一

主な出演者:三田佳子 根津甚八 横内正 角野卓三 草野大悟 西尾麻里

時間:80分
放送日:1980年9月8日
チャンネル:NHK総合

パリの街角の風景を描きつづけた画家佐伯祐三の生涯を妻、友人とともにパリ生活を中心にドキュメンタリードラマで構成。

*右画像は佐伯祐三のライフマスクのひとつ。ドラマ中にライフマスクを作るシーンも出てくる。

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◆◆◆ さくら50+25点 NHK名古屋放送局・公開ライブラリー

ちょっと前に、落合莞爾の『天才画家「佐伯祐三」真贋事件の真実』(初版1997年)という本を読んだ。世間で知られている佐伯祐三とは随分違う裏の顔がそこにはあり、スゴク面白かった。それで、ネットで佐伯祐三について検索して色々流し読みしていたら、随分昔だけど、NHKで佐伯祐三の生涯をドラマ化している事を知った。それがNHK放送局の公開ライブラリーで見られたので、今日、観に行ってきた。

20代から60代までの米子を演じる39歳の三田佳子の演技には、かなり無理があって苦笑してしまった。根津甚八や角野卓三も、若いというだけで何か面白く感じてしまった。肝心のドラマ内容は、本を読んでいるからこその裏読みと虚実が想像出来て、すっごく面白かった。なので、裏読みの面白さをプラスして75点。

意外だったのが、祐三作だという米子の裏書があるマーガレットの静物画に対して、これは米子の作品だと角野卓三扮する美術評論家(?)が驚き、「同じモチーフをパリで描いていたから混乱したのでは・・」なんて言うシーンがあったことだ。まあ、ぼかした表現ではあったけど、当時から佐伯祐三作品に、実は米子作品が混じっているという話(噂)があったんだろうと思った。

佐伯祐三が再度渡仏したのは日本でのモチーフに困ったからだ、・・・・・というのは、その理由が正しいかどうかは別にして、成る程なぁと思った。油絵のモチーフには日本の景色より石の街(パリ)のほうがしっくりくる、といっているのだ。いわれてみれば、街や人を描くのには、その地で発達してきた画法が適しているのは当然に思える。 。。。佐伯作品が魅力的なのは、「日本人の美意識」で見た「パリの街」を「油絵」で表現しているからこそで、この中の何かひとつが欠け落ちても成り立たないのかもしれない。

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NHKビル隣の県美でやっていた美術展『タイムスケープ もうひとつの時間』も鑑賞した。というか、実はこっちがメインの目的。

けど、現代美術ってホント分からない(笑)。

というものの、白磁の壺の美しさにはちょっと圧倒された。単なる白い壺なのに、とても魅力的な姿をしていた。あと、奈良美智の落書きのような習作のような作品数点を観て楽しく感じたりとか、他にも面白いものが何点かあり結構楽しめた。

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