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2008年10月18日 (土)

369: パンズ・ラビリンス

「服従か抵抗」の現実を 

少女が生き抜くために必要としたパンズ・ラビリンス

El_laberinto_del_fauno_05_3

英題 : Pan's Labyrinth / El Laberinto del fauno

監督・脚本 : ギレルモ・デル・トロ
製作 : アルフォンソ・キュアロン
撮影 : ギレルモ・ナヴァロ
プロダクションデザイン : エウヘニオ・カバイェーロ
音楽 : ハビエル・ナバレテ

キャスト : イバナ・バケロ ダグ・ジョーンズ セルジ・ロペス アリアドナ・ヒル マリベル・ヴェルドゥ アレックス・アングロ

製作 : 2006年 メキシコ/スペイン/アメリカ
日本公開 : 2007年10月6日
上映時間 : 1時間59分

1944年、内戦終決後のスペイン。父を亡くした少女オフェリアは、身重の母と共にゲリラが潜む山奥で暮らし始める。そこは母が再婚したビダル大尉の駐屯地だった。体調の思わしくない母を労りながらも、冷酷な義父にどうしても馴染めないでいた彼女の前に妖精が現れ、森の中の迷宮へと導く。そこではパン(牧神)が・・・

*2006年(第79回)アカデミー撮影賞:ギレルモ・ナヴァロ 美術賞:エウヘニオ・カバイェーロ、Pilar Revuelta メイクアップ賞:David Marti、Montse Ribe  *2006年(第41回)全米映画批評家協会作品賞  *2006年(第73回)ニューヨーク映画批評家協会撮影賞:ギレルモ・ナヴァロ  *2006年(第32回)ロサンゼルス映画批評家協会美術賞:エウヘニオ・カバイェーロ  *2006年(第60回)英国アカデミー外国語映画賞 衣裳デザイン賞:ララ・ウエテ メイクアップ&ヘアー賞:José Quetglas、Blanca Sánchez 特殊視覚効果賞:Edward Irastorza、エヴェレット・バレル  *2006年(第21回)ゴヤ賞 脚本賞:ギレルモ・デル・トロ 新人女優賞:イヴァナ・バケロ 撮影賞:ギレルモ・ナヴァロ 特殊効果賞:レイエス・アバデス、エヴェレット・バレル David Martí、Montse Ribe、Edward Irastorza、Emilio Ruiz 編集賞:ベルナート・ヴィラプラナ 音響賞:マーティン・ヘルナンデス、ミゲル・ポロ メイクアップ&ヘアスタイル賞:José Quetglas、Blanca Sánchez  *2007年ヒューゴー賞 長篇映像部門

*上記を含めて67の賞を受賞し、58のノミネートを受けた。多数の批評で2006年度の映画トップ10に選出されている。

Rotten Tomatoes】 96% 
IMDb
★★★★★★★★☆ UserRating:8.5/10 (108,119 votes)
YAHOO! MOVIES】( ABCDF ) The Critics:A-/12reviews  Yahoo!users:B+/22,017ratings

YAHOO!JAPAN 映画★★★★ 3.98点/638人
映画生活
★★★★ 77点/281人
エイガ・ドット・コム】 User's Rate:A

◆◆◆さくら73点 shock weep happy01 レンタルDVD 

願いが叶わないアンハッピーエンドでもあり、願いが叶ったハッピーエンドでもあった。

オフェリアは空想の世界に逃げ込んでいるのではなく、空想の世界から現実の世界で行動するための勇気を貰っているんだ、と思った。だからラストには、とても切なくさせられた。

現実世界の出来事もパンズ・ラビリンスの出来事も、オフェリアにしてみれば一つの世界の出来事だ。だからラストには、とてもハッピーにさせられた。

この映画、スクリーンで観れば好かったなぁ~。 。。

 

この映画『パンズ・ラビリンス』は、フランコ独裁政権が誕生して数年後の1944年が舞台だ。この映画の後に観た『サルバドールの朝』は、フランコ独裁政権が終る少し前の1974年が舞台だ。フランコ独裁政権下で服従を強いられる人たち、そして自由を望む人たちに、勝手に思いを馳せて感慨に耽ってしまった。

 

..... ..... ..... ..... .....
時代背景

Franco0001 フランシスコ・フランコ・イ・バアモンデ(Francisco Franco y Bahamonde, 1892年12月4日 - 1975年11月20日)は、スペインの軍人、政治家、独裁者(総統)。

スペイン内戦(1936-39)

1936年2月の総選挙で、左翼勢力を中心とする人民戦線内閣が誕生すると、フランコは参謀総長を解任され、カナリア諸島総督に左遷された。人民戦線政府は社会主義的理念に基づく改革を実行、教会財産を没収し、ブルジョワを弾圧した。これは農民層に支持されたが、地主・資本家・カトリック教会などの保守勢力とは対立した。同年7月、スペイン領モロッコと本土で軍隊が反乱を起こすと、フランコはモロッコに飛んで反乱軍を指揮し、本土に侵攻した。保守勢力がフランコを支援したため、この反乱はスペインを二分する大規模な内戦に発展した。

フランコは、反乱軍(国民戦線軍と称した)の総司令官兼国家元首に就任し、ナチス・ドイツやイタリア軍の支援を受けて人民戦線政府勢力と戦った。1939年2月、マドリードを陥落させて人民戦線政府を倒した。また、独伊防共協定が結ばれると直ちに参加し、正式にスペイン政府の総統に就任した。

数十年にわたるスペインの混乱は一応の終息を迎えたが、国土の荒廃は著しかった。

第二次世界大戦中(1939-45)は中立を維持した

内戦に勝利したフランコ側は、人民戦線派の残党に対して、激しい弾圧を加えた。bomb 映画はスペイン内戦終結後の1944年が舞台。フランコ政権(ファシズム政権)の軍人であるビダル大尉は、ゲリラ化した人民戦線残党を狩るために駐屯していた。 bomb

1939年9月に第二次世界大戦が勃発すると、フランコは国力が参戦に耐えられないと判断して中立を宣言したが、アントニオ・サラザール率いる隣国のポルトガルと同様、ドイツ及びイタリアなどの枢軸国の優勢を見て枢軸国側に近づく。

1941年、太平洋戦争(大東亜戦争)開戦後、米国の植民地だったフィリピンに日本軍が進攻し、ホセ・ラウレル政権が樹立すると、フランコ政権はラウレル大統領に祝電を送り、米国の怒りを買った。

しかし、1943年頃より連合国が優勢になると、再び中立を誇示するという日和見な姿勢に終始した。フランコは持論として、『欧州の戦いは米英対独の戦争であり、スペインは中立を維持する。太平洋の戦いは西欧文明国対野蛮国日本の戦いであり、スペインは米国(連合国)寄りの政策を執る』という考えを米国大使に語っている(この発言に見られるように、フランコも日本を含む有色人種に対して人種的偏見が少なからずあったと思われる)。

この巧みな外交により、結果としてスペインは第二次世界大戦の戦禍を完全に免れた。

第二次世界大戦後(1945-)もフランコ独裁政権が続いた

フランコ政権は、彼が内乱中に組織したファランヘ党の一党独裁の政権であり、その成立時からドイツ・イタリアの支援を受け、軍隊と秘密警察による厳しい支配を行った。そのため、大戦終結後に成立した国際連合は、1946年12月の国連総会で、ファシズムの影響下にあるスペインを国連から排除する決議を採択した。

 

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