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2009年8月13日 (木)

418: チェンジリング

公権力の暴走の暴走を食い止めるものは何なのか

T0006220_2メディアの影響力は諸刃の剣・・・

市民の良心 個人の誇り 母の愛

勇気と希望は力を生む

 

英題: CHANGELING

監督・製作・音楽: クリント・イーストウッド
脚本: J・マイケル・ストラジンスキー
製作: ブライアン・グレイザー / ロン・ハワード / ロバート・ロレンツ
製作総指揮: ティム・ムーア / ジム・ウィテカー
撮影監督: トム・スターン
プロダクションデザイン: ジェームズ・J・ムラカミ
編集: ジョエル・コックス / ゲイリー・ローチ
衣装デザイン: デボラ・ホッパー キャスト

キャスト: アンジェリーナ・ジョリー ジョン・マルコヴィッチ コルム・フィオール デヴォン・コンティ ジェフリー・ドノヴァン マイケル・ケリー ジェイソン・バトラー・ハーナー エイミー・ライアン ガトリン・グリフィス

製作: 2008年 アメリカ
上映時間: 2時間22分

1928年、シングルマザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)は、ロサンゼルス郊外で9歳の息子ウォルター(ガトリン・グリフィス)と暮らしていた。ある土曜日、彼女は同僚に泣きつかれて断り切れずに休日を返上して仕事へと向かう。暗くなって彼女が帰宅すると、家で一人で留守番をしているはずの息子の姿はどこにもなかった。シネマトゥデイ

IMDb★★★★★★★★☆☆ 8.1/10 44,075votes
YAHOO! MOVIES】 The Critics: B 12reviews  Yahoo! Users: A- 5,941ratings
YAHOO!JAPAN 映画★★★ 4.4点/884人
映画生活★★★ 84点/448人

◆◆◆さくら78点 レンタルDVD

以下、ネタバレあり。
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クリスティンは生涯を通して息子を探し続けた。で、それを「すごく不憫だ」と感じそうなものだけど、あまりそうは感じなかった。彼女が送ったであろう人生を無為で虚しいものに、あたしは感じなかったのだ。
 
何故そう感じなかったかと自問してみると・・・、映画の中で描かれていたクリスティンの行動に因るところが大きいのだと感じた。経済的自立を果たし働いている一社会人としての姿、息子への愛を原動力に自分を信じ勇気を持って公権力と闘う一市民としての姿、それらを見ると、映画後の彼女の人生が、息子が行方不明になってしまった一母親という悲壮感だけに彩られたものだったとは想えないからだ。
 
時にうつむいて涙する事もあっただろうが、頭を上げて前を向き勇気と誇りと希望を胸に日常生活を送り、ちゃんと「彼女なりの‘自分の人生’」を歩んだに違いない。
 
ハッピーエンドではなかったけど、アン・ハッピーエンドでもなかった。あたしの胸に残ったのは、憐憫の情ではなく、クリスティンの愛の強さ、勇気の大切さ、責任の有り方、そして希望の力だった。

◆理解し難かった殺人犯ゴードンの心情変化・・・個人的解釈

逮捕前: あれだけの殺人を犯していても、信仰心のあったゴードン。他の子供はともかく、‘天使’ウォルターだけは殺した事に罪悪感を持っていた。天使を殺してしまい、神様に対して悪いことをしたと思っていた。

逮捕後: そして逮捕された後、悪口を言わなかったクリスティンに対しても好感を持った。罪悪感から、聴聞会で‘天使’ウォルターを殺していないと嘘をついた。
 
刑期中: 神への告白で「他の子は殺しても、神からの使者である‘天使’ウォルターは殺していない」と嘘の懺悔をして、許しを請ったゴードン。‘天使’を殺していては神も許してはくれないだろう、だったら・・・と自分本位に考え嘘の懺悔をする。
 
処刑数日前: クリスティンが未だ子供を捜している事を知る。本当は殺した事を伝えて、無為な時間を費やさずに自分自身の人生を歩んで貰いたい、と考えて電報を打ってもらう。
 
処刑前日: 電報を受け取った弁護士が半日かけて諸般の面会手続きを済ませ、処刑前日にクリスティンが来る。この時ゴードンは、自分の事だけでいっぱいいっぱいになってしまい、電報を打った時の気持ちを翻してしまう。「実は逃げ出したウォルターを捕えて殺した」と告げれば、もう一度神に「嘘の告白をしてすみませんでした 許されるものではありませんが許して下さい」と懺悔しなければならないが、そんな時間は自分に残されていない。それに、そんな告白をしたら、神は許してくれないかもしれない。だったら、このままにしておこう。。。殺していないと告げたままにしておこう、と考えた。
 
この面会シーンで犯人が口にしていた「嘘はつけない」での‘嘘’というのは、‘事実と異なる事’ではなく、‘神に懺悔した内容とは異なる事’だった。

◆時代背景

1890年代 ロサンゼルスで油田発見 (石油化学が発達 大都市へと成長)
1911年 ハリウッド誕生 (1920年代には世界有数の映画産業に発展)
1914-18年 第一次世界大戦 (1917年 アメリカ参戦)
1919年 アメリカ 禁酒法制定 翌年から施行 (1933年廃止)
1920年 アメリカ 女性参政権の獲得
1928年 ウォルターが行方不明になる
1929年 世界大恐慌
1930年 ゴードン処刑
1964年 クリスティン亡くなる

*ウォルター・ジェームズ・コリンズ・ジュニア 1918 - 1928年
*クリスティン・アイダ・ダン・コリンズ 1891 - 1964年
*ゴードン・スチュアート・ノースコット 1906 - 1930年

モータリゼーション: アメリカ合衆国では、1920年代には既にモータリゼーションが始まっていたとされる。原因としては、T型フォードの成功によって自家用車が急激に普及したこと、広大なアメリカでは早くから幹線道路の整備など郊外型の都市開発が進んだ事、などが挙げられる。

ジャズエイジ: 第一次世界大戦が終結し、ジャズが時代の流行の音楽となり、享楽的な都市文化が発達した時代で、大量消費時代・マスメディアの時代の幕開けでもあった。1929年の世界恐慌までがジャズ・エイジとされる。

ラジオ放送: 初の正式公共ラジオ放送は1920年11月アメリカ・ペンシルベニア州でのもの。アカデミー賞の発表は、第2回(1930年)からロサンゼルスの地元ラジオ局により実況が開始され、第17回から全国放送となった。

ギャルソンヌルック: ファッションとしては、働く女性たちの中から生まれたギャルソンヌ・ルックが流行した。流行の一因として、第一次世界大戦で女性にも機能的な服装が必要になったという事と、第一次世界大戦後に女性の社会進出が進んだ事があげられる。それまで女性服はコルセットを着用し、ウエストと曲線美を強調するデザインであったが、この時代にはコルセット無しの活動的なデザインの服が作られ始めた。ドレスの多くはウエストの無いストンとした直線的なシルエットを持つ。

割礼: 割礼(かつれい)とは、主に宗教上の理由で男子の性器の一部を切除すること。宗教上の理由の他、衛生上の理由などで行われる場合がある。

米国では宗教との関連ではなく、衛生上の理由および子供の自慰行為を防ぐ目的などの名目で19世紀末から包皮切除が行われるようになり、特に第二次世界大戦後、病気(性病、陰茎ガンなど)の予防に効果があるとされ、普及するようになった。また、医療従事者に割礼を行う宗教の信徒が多く、包皮切除に対する違和感が低かったため、という指摘もある。

1990年代までは生まれた男児の多く出生直後に包皮切除手術を受けていた。アメリカの病院で出産した日本人の男児が包皮切除をすすめられることも多かった。しかし衛生上の必要性は薄いことが示されるようになり、手術自体も新生児にとってハイリスクかつ非人道的との意見が強まって、1998年に小児科学会から包皮切除を推奨しないガイドラインが提出された。これを受け、包皮切除を受ける男児は全米で減少してきており、21世紀に入ってからは約6割程度と言われる。

或る夜の出来事: 1934年(第7回)アカデミー賞では主要5部門でノミネートされ、5部門とも受賞した(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞)。ちなみにこの5部門(脚色賞は脚本賞でもいい)を全て制することは、1975年の『カッコーの巣の上で』が成し遂げるまで出ないほどの大記録であった。

ウィネビラ養鶏場殺人事件: アメリカ合衆国で1920年代後半に発生した連続少年誘拐殺人事件である。別名をワインヴィル(現在のミラ・ロマ)養鶏場連続殺人事件"Wineville Chicken Coop Murders"と呼ばれている。裁判で有罪になったのは3人の殺害であるが、本人いわく犠牲者は後述のウォルター・コリンズなど20人としている。 

裁判でノースコットはウォルター・コリンズなどを殺害したことを認め、ノースコットの母親サラも5人の殺害に関与したことを認めた。サラはメキシコ人少年を殺害した罪で1928年12月31日に終身刑が宣告されたが、これは検事によれば女性であるから死刑を免れたとされた。彼女は12年後に仮釈放されている。

一方のノースコットは、いいかげんで矛盾した供述を行い、弁護人を雇わずに裁判をしたが、結局のところ事件の全貌が明らかにはならなかった。また自身は精神異常者でないと主張し、その主張が認められて死刑が言い渡され、サン・クウェンティン刑務所の死刑囚監房に収監された。その後自らが犯した罪の大きさを認識したノースコットは、次第に精神の均衡を失い始めた。そして死に至る病気になったと思いつめて一連の大量殺人の詳細をクリントン・ダフィ副所長に告白した。なおノースコットは病気が回復した後の1930年10月2日に、恐怖に脅えながらサン・クウェンティン刑務所の刑場の露となって消え去った。・・・・・wiki 続きを読む

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原題:Changeling 昔のことゆえ不条理な警察権力も行方不明も、驚くほど珍しいことではないかも知れないけど、児童20人が惨殺、我が子が替え玉だったという衝撃の事件~ 天使が住んでいたというロサンゼルスは1928年のこと、電話会社で主任を勤めるシングルマザーのクリ... [続きを読む]

受信: 2009年8月14日 (金) 00時38分

» ♯09 「チェンジリング」 [cocowacoco]
映画 「チェンジリング」 CHANGELING を観ました          クリント・イーストウッド監督 2008年 アメリカ あまりにも出来すぎたドラマにも思えたけど、これが事実をもとにしてるというのだから、すごいお話です。 それにしてもイーストウッド監督の作品は、いつも、思い当たる人の心をキリキリ刺してくるよ・・・。 (ネタバレあり) 子を持つ親には、かなり辛い映画でしょうね。 でも、意外な展開にて、最後まで見応えのある作品でした。 監督は、やはり凄いな。 シングルマザーのクリス... [続きを読む]

受信: 2009年8月22日 (土) 01時26分

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